10月下旬に行われた「第9回 東京発 日本ファッション・ウイーク(JFW)」の東京コレクション(東コレ)。不況を受け、新しい素材への挑戦や作風を一新させたブランドが目立った。一方、一般向けの催しも開かれるなど独自の創造性を打ちだし、逆風を乗り越えようとする意志を感じさせた。(小川真由美)
≪没個性でつまらない≫
「DRESS33(岩谷俊和)」は、ピカソを題材に初めてビニール風生地やフィルムを使用。スワロフスキーのチャンピオンベルトも登場した。岩谷は「不況だから売れないとはいい訳。東京発のブランドの個性を強調した」と話す。「アキラナカ(アキラナカ)」はデニムに初挑戦した。黒のパンツにテーラードのカッティングを施したデニムジャケットを合わせるなど、男性的な作風に女性らしさを際立たせた。
作風を一新させたのは「ソマルタ(広川玉枝)」。前回まで甲冑を題材にするなど強い印象だったが、今回は赤やピンクのニットの花飾りを多用した。「ミキオサカベ(坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン)」も初めて黒をベースにし、Tシャツに破れたストッキングでハードロックのイメージを強調。「インターネットの浸透で情報があふれ、没個性になっているのがつまらない」と坂部は説明する。
まとふ(堀畑裕之、関口真希子)は、伊万里焼の磁器のボタンなど凝った素材を使いながら、スポーティーな仕上がりを目指した。堀畑は「着るだけで楽しくなる服本来の魅力を皆で共有したい」。
ファストファッションに“対抗”したのが、リトゥンアフターワーズ(山縣良和)。縫製を一切なくし、巻く・結ぶだけの作業に徹した。テーマは神々のファッションショー。「ファストファッションだけでない服も大事だ」と山縣は強調した。
≪モデルの発掘も≫
一般向けの取り組みも見られた。エバーラスティングスプラウト(村松啓市)は東コレ開催中、東京・新宿の新宿高島屋でニットを使ったワークショップを開いた。初めて新作を一般公開したスズキタカユキ(スズキタカユキ)は「大変なときこそ服だけでなくブランドイメージを共有し、ファンとの距離を縮めたい」と力を込めた。
次世代のモデルを発掘する「The MODELS2009」も開催。アジアも含めた計658人の応募があり、モデルという新しい切り口でJFWの独自性を打ち出した。(敬称略)