鳩山由紀夫首相は2日の衆院予算委員会で、平成22年度の新規国債の発行額について「(前政権が21年度当初予算で見込んだ)44兆円を超えることがないよう最大の努力をする」と改めて表明した。さらに雇用悪化を受け、21年度第2次補正予算にも意欲を示した。21年度の税収が30兆円台後半にとどまることが確実となったが、「22年度も40兆円程度」(エコノミスト)との見方が大勢だ。際限なく膨らむ支出と縮む収入。政府内からも「44兆円以下」の実現性を疑問視する声が上がっている。
「国民から『ここまでやるか』と思われるくらい切りつめないといけない」
鳩山首相は2日の予算委で、22年度予算の削り込みに強い意欲を示した。概算要求では、前政権の施策に大胆に切り込めなかったうえ、子ども手当などの重点施策(約7兆円)で雪だるま式に膨らんだからだ。
鳩山政権は重点施策の財源に充当するため、麻生政権下で組まれた21年度第1次補正予算の執行停止で何とか約3兆円を捻出(ねんしゅつ)した。
だが、2日の予算委で鳩山首相は2次補正の財源に3兆円を「活用したい」と表明した。そうなれば、やっとひねり出した“虎の子”を22年度に回すことはできなくなる。
税制改正による税収増も難航必至だ。財務省が同日集計した各省庁からの22年度改正要望は新たな減税などの措置が194項目で減税規模は6300億円超に上った。一方、「租税特別措置(租特)」の廃止・縮減など増税申告は38項目で約1千億円にとどる。税調の古本伸一郎財務政務官は「各大臣は要求大臣になっている」と不満の声を上げた。
平野博文官房長官が2日の会見で、「経済、税収が落ち込めば、財源をどう補っていくかについての判断は別途ある」と述べ、税収見積もりによっては国債発行が44兆円を上回るのもやむを得ないとの考えを示唆するなど、政府内でも現実路線が浮上している。
第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「企業収益の悪化は税収に数年間にわたって響き、将来の税収基盤が崩れる。22年度予算編成もかなりの制約を受ける」と警告する。
概算要求の大幅な削減と増税による財源確保が不発に終われば、いずれ鳩山首相は発言の修正を迫られ、また“ぶれ”を露呈することになりかねない。(田端素央)