鳩山由紀夫内閣発足後初の衆院予算委員会が2日、開かれ、本格的な国会論戦が始まった。野党・自民党は大島理森幹事長、町村信孝元官房長官、加藤紘一元幹事長と重鎮3人が次々に質問に立ち、現政権の経済・外交政策などを執拗(しつよう)に追及した。首相は「守りの答弁」に徹したが、攻守が逆転した国会審議の厳しさを痛感したのか、硬い表情を最後まで崩さなかった。(坂井広志)
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「鳩山政権は政治主導の下でおごり、無礼、強権的な政権運営が目に付く」
大島氏は冒頭から首相を挑発した。菅直人副総理が10月31日に「霞が関は成績が良かっただけで大ばかだ」と発言したことを引き合いに「鳩山政権は友愛を標榜(ひょうぼう)しているのだから内閣で友愛を勉強された方がよい」と断じた。
大島氏らは細かい政策論議は避け、首相がこだわる「政治主導」「友愛」などのキャッチフレーズを挑発することで首相の足元をすくう作戦に出た。だが、首相は「我慢」と「守り」に徹した。代表質問と違い、時間の限り質疑の応酬が続く予算委でへたに応戦すれば「敵を利するだけだ」と判断したようだ。
首相は菅氏の発言について「役人の皆さんは優秀だ。決してばかだとは思っていない。時には言葉が過ぎることもあろうかと思う」と釈明。西松建設の違法献金事件をかつて「国策捜査だ」と批判したことを指摘されると「反省している。私自身のこと(政治資金収支報告書虚偽記載問題)も国策捜査という認識はない」とわび、「完璧(かんぺき)とは確かに言えないが、友愛精神に満ちた脱官僚依存の政治に挑んでいくつもりだ」と理解を求めた。
続く町村氏はさらに執拗だった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を「ブレがすごい。首相の一言一言も軽い。閣内が一致しているか考えたことあるか。沖縄県民が不安になる」と批判。「『釈迦に説法』だろうが、外交とは国益と国益が激しくぶつかり合う場だ。ソフトクリームのように溶けてしまわないように」と皮肉った。さすがに首相も顔をこわばらせたが、「国民に不安を与えたとすれば注意したい」と応じた。
加藤氏は「本会議場での機関銃のような拍手はなんだ。あれ以来民主党議員の顔がみな同じに見えるようになった。友愛精神らしい個の確立をお願いしたい」と小沢一郎幹事長の民主党支配を当てこすった。
さらに、首相が衆院代表質問で「あなた方に言われたくない」と言い放ったことを「首相のセリフではない。野党ボケではないか」と叱責(しっせき)。首相は「反射的に出た言葉だが、不信感を与えたことを遺憾に思っている」と謝罪した。
首相の堅い防御を破れず、加藤氏は「与党として用心するようになってきたね」とやや不満顔。一方、首相は2日夕、記者団に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「初めてだったから緊張したが、自民党の先輩議員の思いを拝聴し、よい勉強になった。国会論戦がよみがえるのはよいことだ」