大手百貨店5社が2日発表した10月の売上高(速報値)は、そろって前年割れとなるとともに大丸を除く4社が2けたの減少率となった。10月上旬の台風の影響で月前半に客足が落ちたほか、消費者の慎重な購買姿勢が相変わらず強く、衣料品や宝飾品など高額品の販売低迷が続いた。消費が急激に落ち込んだ昨年秋のリーマン・ショックから一巡し、下落率の改善が期待されたが、厳しい実態が浮き彫りになった。
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最大の減少率だったのがJ・フロントリテイリング傘下の松坂屋で、13・1%減。9月より幅は1・0ポイント縮小したが、4カ月連続の2けた減だった。台風の影響で名古屋、静岡地区の店舗の販売が低迷。さらに企業の業績不振により法人の大口受注が不調だった。
高島屋と、三越伊勢丹ホールディングス傘下の三越と伊勢丹の3社も台風により苦戦を余儀なくされた。シルバーウイークが天候に恵まれたことなどで三越と高島屋の9月の売上高は1けた台の減少率だったが、10月は台風による集客減が響き、三越が12・5%減、高島屋が11・9%減と再び2けたの減少率に逆戻りした。関東地域に店舗が集中している伊勢丹も台風の影響を直接受け、11・2%減に沈んだ。
一方で松坂屋と同じJFR傘下の大丸は、催事などが一定の効果を示し、6・9%減と唯一、減少率は1けたを維持した。しかし、消費不況の影響は避けられず紳士服など衣料品が低調で、9月から減少幅は2・0ポイント悪化した。
リーマン・ショック以降、日本の景気は急速に冷え込んだが、百貨店各社によると「昨年10月はそこまで消費の落ち込みはなく、本格的な影響は11月からだった」(J・フロントリテイリング)との見方が多い。各社とも秋以降「歳暮やおせち料理も需要が底堅い」(高島屋)ことから、11月以降の商戦本格化に期待を寄せている。しかし、客単価が伸びず売り上げを底上げできないジレンマは解消できておらず、大手百貨店の苦戦は長引きそうだ。