日本航空が活用を申請した「企業再生支援機構」の手腕を疑問視する声が高まっている。もともと中小企業の再建を目的に設立された組織で、人材やノウハウ不足を指摘する声は多い。そもそも、お手本にした旧産業再生機構が手がけた企業の“その後”も、順調とはいえず、公的機関による民間企業再建の困難さを浮き彫りにしている。
帝国データバンクの調査によると、平成19年に解散した産業再生機構が支援した41社のうち、ダイア建設など2社が法的整理に移行した。また直近の財務状況が判明した33社のうち4割の13社が債務超過などの資本不足の状態に陥っている。
最大の案件であるダイエーも、21年8月期中間連結決算で45億円の最終赤字を計上。消費不況の影響が大きいとはいえ、業績は芳しくない。
再生機構は15年に大手銀行の不良債権比率半減という政府目標の達成を目的に設立された。このため、関係省庁が金融実務に強い人材を積極的に派遣したほか、民間からも外資系金融機関などで企業再生に実績のある人材を採用し、ピーク時には200人を超す陣容を誇った。
これに対し、日航再建を担う企業再生支援機構は当初、大企業を想定しておらず、「人材は再生機構に比べ見劣りする」(投資会社幹部)との声が多い。
支援機構は現在の人員50人を年内に80人に増やし、日航支援が決まれば、さらに拡充を検討する。
民間からの採用は金融危機による金融機関のリストラ時期と重なり「予想以上に優秀な人材が集まった」(幹部)というが、その手腕は未知数だ。
そもそも、再生機構の実績をめぐっては「過去のしがらみを断ち切り、大なたを振るった」(政府関係者)と評価する声がある一方、「支援企業や銀行団と軋轢(あつれき)を生み、実業の立て直しにはつながらなかった」(銀行業界関係者)との指摘もある。
帝国データバンクの内藤修氏も「再生機構の支援は財務リストラにとどまり、企業の将来像を見据えた事業の再構築などは道半ばだった」とし、“二の舞い”に警鐘を鳴らしている。