日本の気象観測に欠かせない次期気象衛星「ひまわり」8、9号の開発・製造が進んでいる。気象庁は現行衛星に比べ大幅な性能アップを計画。事前予測が難しいゲリラ豪雨や竜巻の観測精度を大幅に向上させ、中国大陸から日本へ飛来する黄砂などの観測にも威力を発揮できるよう、平成22年度予算に整備費として約75億円を要求した。財源不足から一時は消滅の危機にあった次期衛星だけに、気象庁はコスト削減に知恵を絞るなど懸命の努力をしている。
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現在観測に使われている「ひまわり」は平成17年に打ち上げられた6号。故障に備え2機体制で運用されており、来年7月には6号とほぼ同じ性能を持つ7号(18年打ち上げ)にその座を譲ることになっている。
しかし、7号も27年に寿命を迎える。現在開発している8、9号はそれぞれ、26、28年度に打ち上げが予定されている。
次期衛星の最大のポイントは搭載するカメラの性能強化だ。計画では現行衛星に比べ解像度が約2倍となり、可視画像は最大1キロ四方から0・5キロ四方に、赤外線画像についても4キロ四方から2キロ四方に向上される。また、現在は地球全体の観測に約30分かかっているが、次期衛星では約10分に短縮され、日本付近だけなら、わずか2分半で観測できるようになるという。
台風の位置や規模、中心気圧などをより正確に観測することが可能となり、近年被害が急増しているゲリラ豪雨や竜巻などについても、その原因となる積乱雲の発生や動きをいち早く観測できるようになることから、防災に大きな威力を発揮すると期待されている。
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しかし、過去の気象衛星は他省庁との相乗りだったが、今回は気象庁単独での打ち上げを余儀なくされたため、担当者は予算確保に頭を悩ませている。2機の整備運用には約800億円が必要。21年度予算では要求した約77億円が財務省原案から外れるという危機もあった。結局「重要課題推進枠」で予算化が認められ今年7月には三菱電機が製造開発に着手するところまでこぎ着けた。
気象庁ではコスト削減のため、観測機能の制御などを民間企業に委託するPFI方式を導入することを決定。これにより数十億円の経費削減を見込むなど、来年度以降の事業継続に向けた努力が続いている。(豊吉広英)