経済産業省は4日、自動車業界のトップらを集めて次世代自動車戦略研究会を発足させた。電気自動車(EV)の開発促進やハイブリッド車(HV)などの国際競争力強化に向けた中長期的な戦略を描く。海外では関連技術の標準規格化を目指す動きが強まりつつあり、日本としての国家的戦略を打ち立てて対抗する。来年3月に報告書をまとめる予定。
研究会には、日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)や志賀俊之・日産自動車最高執行責任者(COO)、益子修・三菱自動車社長のほか、エネルギーや電機の業界団体からも代表者が出席。渡辺捷昭(かつあき)トヨタ自動車副会長も委員に名を連ねており、今後の議論に加わる。
この日は、出席者から「二酸化炭素(CO2)排出削減への対応は、産業革命的なインパクトがある」との意見が出た。
ただ、現段階では、HVや既存車の改良、燃費の良いクリーン・ディーゼル車などに分散投資する必要があり、EVの量産化や燃料電池車開発へ向けた取り組みも欠かせない。景気低迷が続く中、「政府による支援も議論すべきだ」との意見が出た。
また、次世代の本命と目されるEVをめぐっては「欧州で大型蓄電池に関する技術を標準化しようとの動きが出ている」との指摘があった。標準規格化はコスト削減や量産の効果を引き出しやすいメリットがあり、国際競争の激化に備えた動きといえる。
これに対し、日本勢は各社が電機メーカーなどと連携し、それぞれで技術確立する方向だ。
さまざまな技術や知見を組み合わせて製品の精度、性能を高める「すり合わせ」による日本型ものづくりの延長線上の戦略だが、欧州の標準化戦略に対抗できるかどうかは未知数。欧州発の規格が国際標準になれば、さらに劣勢を強いられることになる。
こうした危機感から研究会では、研究開発の道筋や、国際標準規格づくりに対して日本としてどう取り組んでいくか戦略を策定する必要があるとの認識で一致。また、EVの普及に備えて充電スタンドなど社会インフラ整備で、官民がどのような役割を果たしていくのかも検討課題として挙げられた。研究会は、全体の戦略▽電池▽インフラ整備の3つのワーキンググループを設置した。