自動車大手7社の平成21年9月中間決算が5日、出そろった。円高や米国での販売低迷が影響して全社で減収減益となったが、中国での販売拡大と各国政府による買い替え補助制度に支えられ、22年3月期の連結業績予想については、三菱自動車を除く6社が上方修正した。ただ、補助打ち切りによる需要減や円高など先行きの懸念材料もある。
ホンダはエコカー減税を追い風に業績回復につなげた。ハイブリッド車(HV)や低燃費車の販売が国内でも順調に推移。22年3月期の国内販売台数を従来予想より3万台上乗せした。通期の連結最終利益は2年ぶりの増益の見通しだ。
日産自動車は中国が牽引(けんいん)した。減税対象車の車種拡充が奏功し、通期の販売台数は71万2千台と、初めて日本の販売台数を上回る見込み。トヨタ自動車が通期業績の予想を上方修正したのも、各国政府の需要喚起策で想定よりも市場が活性化したことが大きい。
一方、先行きについては「危機が去ったわけではない」(日産の志賀俊之最高執行責任者)と慎重な見方が根強い。懸念材料の一つが各国の支援策が打ち切られた後の反動減だ。「補助が終わった後は安売り合戦かもしれない」(マツダの山内孝社長)と不安視する声も漏れている。
長引く円高も影を落としている。各社とも下期の想定為替レートを1ドル80円台後半から90円としているが、「ずっとこのままだと生産の海外移管も考えなければいけない」(ホンダの近藤広一副社長)といい、体力勝負の様相を呈している。
販売管理費や研究開発費などのコスト削減も一定の効果を上げているが、結局は経済対策など外的要因に支えられている面があるだけに、今後の経営環境は楽観を許さない。