■都市部に潜伏か
千葉県市川市で平成19年3月、英国人の英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=が殺害された事件で、死体遺棄容疑で全国に指名手配されている市橋達也容疑者(30)の“足跡”が2年半ぶりに確認された。逃亡中に整形手術を繰り返し、自らの顔を変えながら、大阪や名古屋、福岡といった大都市を転々としていた。市橋容疑者は逃走資金をどうやって工面しているのか…。
一重だった目は二重に。鼻は高くなっている。2つあった左ほおのほくろも除去され、下唇も薄く…。
5日に県警捜査本部が公開した市橋容疑者の写真は、指名手配の際に公表された写真と大きく変わっていた。街中に張られている手配写真ポスターには、「一重まぶた」「下唇が厚い」などが特徴として挙げられていたが、すべて変わっている。
「自分の手配ポスターを見て、手術で特徴を消していたのか…」。ある捜査員はつぶやく。
公開された写真は、市橋容疑者が10月に名古屋市の美容整形外科病院で整形手術を受ける前に撮影したもの。つまり市橋容疑者は以前から整形手術を重ね、その上で名古屋でも手術をしていたのだ。
「市橋容疑者に似た男が手術を受けにきた」。捜査関係者によると、捜査本部にこんな情報が寄せられたのは10月26日。
市橋容疑者はその2日前の24日、名古屋の病院で鼻の整形手術を受けていた。「鼻を高くしてほしい」と要求し、数十万円の手術代も前金で支払ったという。偽名を使ったが、手術は自由診療で保険証を出す必要はなく、病院側もすぐには分からなかった。
県警は名古屋に捜査員を派遣し、術後の抜糸のために来院するはずの市橋容疑者を待って病院周辺で張り込みを行ったが、市橋容疑者は姿を見せなかった。
ほかにも、福岡市内の美容整形外科や大阪市内に現れていたことが確認されており、仙台にも市橋容疑者につながる情報が出ているという。いずれも大都市で、今も歓楽街の人込みに紛れて、身を潜めている可能性が高い。
市橋容疑者は、1回に10万〜数十万円かかるとされる手術代をどうやって工面していたのか。名古屋、福岡、大阪などへの移動費用もかかる。市橋容疑者は「ラブホテルに泊まっている」と名古屋の病院で話したというが、宿泊代もかさむはずだ。
市橋容疑者が最初に逃走したときは財布も持たず、靴もはいていない状態だった。逃走資金捻出(ねんしゅつ)方法の解明が、市橋容疑者を追い詰めるポイントになる。