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主要

“日本のプチ・パリ”神楽坂で堪能する極上フレンチ

2009年7月14日(火)18時4分配信 ゆかしメディア

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■レトロな風情と最先端文化が息づく街・神楽坂

 明治・大正時代に花街として興隆を誇った、東京都新宿区の神楽坂。明治時代には尾崎紅葉・泉鏡花が居を構え、また夏目漱石をはじめ多くの文豪が通ったことでも知られています。

 一歩裏通りに足を踏み込めば、日本でもここにしか残っていないと言われる花街特有の路地。縦横無尽に広がる石畳の路地を彷徨いながら奥へと進んでいくと、どこからともなく三味線の風流な音色が聞こえてきます。政財界の要人が通った料亭や文豪が愛した宿、その隣に軒を連ねるのはビストロやお洒落なイタリアンレストラン、若い芸術家が集うアトリエやギャラリー。和と洋が絶妙に融合し、レトロな風情の中にも最先端の芸術文化の薫りが息づく街です。

 YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)読者の方々も、神楽坂に常連の料亭や割烹の1つや2つはあるはず。しかし今回は敢えて和ではなく、神楽坂の「日本のフランス地区」としての面をクローズアップ。神楽坂の素晴らしさを再確認できる、日本において最上級のフランスが堪能できるお店をご紹介します。

■20軒以上のレストランが集う「フレンチのメッカ」

 神楽坂駅から飯田橋駅まで続く約1キロほどの神楽坂通りを中心に、20軒以上のフレンチレストランやビストロが存在する神楽坂。都内でも突出した軒数の多さとレベルの高さから、「フレンチのメッカ」とも呼ばれています。また正統派フレンチだけでなく、フランス人が経営するバーや、フランスの伝統料理専門店、ジャン=ポール・エヴァン氏の弟子が経営するパティスリーなど、さまざまなジャンルのフランスが楽しめます。

 神楽坂は「プチ・フランス」「プチ・パリ」とも呼ばれています。パリのモンマルトルを彷彿とさせる街並み、日本最大のフランス文化発信地・東京日仏学院などフランス関連施設が多数あること、レベルの高いフレンチレストランが集まっていること…がその理由です。フランス人の住民も多く、神楽坂通りを上っていく途中では小さな子供連れのフランス人一家や、自転車で颯爽と駆け抜けていくフランス人青年に遭遇することも。


■ミシュラン2つ星のモダンフレンチ「ル・マンジュ・トゥー」

 牛込神楽坂駅から徒歩7分、神楽坂の中心からやや離れた住宅街の中にあるフレンチレストラン、「ル・マンジュ・トゥー」。知る人ぞ知る絶品フレンチとして美食家の間では知られた存在でしたが、「東京最高のレストラン」で最高点だったフレンチ5店のうちの1店に輝き、さらに「ミシュランガイド東京」で2つ星を獲得したことで一気に全国的有名店となりました。

 オーナーシェフの谷昇さんはフランス、アルザス地方の3つ星レストラン「クロコディル」や2つ星レストラン「シリンガー」などで修行をし、帰国後、六本木の「オー・シザーブル」などでシェフを務めたあと、1994年に「ル・マンジュ・トゥー」をオープン。2005年に改装のため一時閉店となり、2006年にリニューアルオープンしました。

 2階建ての建物の1階は開放的なオープンキッチンで、シェフの作業が外から見渡せます。2階に階段で上がると席数14という、決して広くはないもののゆったり落ち着けるダイニングが。メニューは「シェフのおまかせコース」(12600円)のみ。前菜6皿、主菜1皿、デザート2皿というボリューム満点のモダンフレンチです。1皿1皿に意外性と感動があり、ベテラン谷シェフの力量が遺憾なく発揮されています。パンにつけるバターは、まるで生クリームをつけているようにフレッシュでコクがあり、ついおかわりしたくなるほど。

 ミシュランで高評価といっても店内の雰囲気は堅苦しくなく、スタッフと会話をしつつあたたかなムードで食事を堪能することができます。さまざまなワインとシャンパーニュが用意されているので、1皿ごとに合うワインをマダムにアドバイスしてもらっても楽しい。神楽坂でフレンチと言えばここをはずしては語れない、ちょっと特別な日に大切な人と訪れたい名店です。

【Le Mange-Tout】
住所:東京都新宿区納戸町22
TEL:03−3268−5911


■「ラ・トゥールダルジャン」が縁を結ぶ2人の新しい城「ラトラス」

 住宅街にひっそり佇む1軒家フレンチレストラン、「ラトラス」。神楽坂を代表する老舗レストラン「ラ・トゥーエル」で料理長だった田辺猛さん、支配人の吉田誠さんがタッグを組み、2008年12月に独立してオープンした店です。2人はフレンチの名門「ラ・トゥールダルジャン」で働いていた頃に出会い、それから共に歩んできた最強コンビ。「ラ・トゥーエル」時代にはミシュランで1つ星を獲得しています。

 完成度の高いコースを提供するため、メニューはコースのみ。フランス料理の基本に忠実でありながらも洗練された料理を、旬の食材を使って鮮やかに繰り広げます。ディナーは、一皿のポーションを大きめにした8500円のコース、トータルバランスを追求した11000円のコース、シェフズスペシャリテの15000円のコース。内容の充実度と完成度に対してコストパフォーマンスが非常に高く、リピーターが多いというのも頷けます。クラシカルな中にも田辺シェフ独自の感性が光る1皿に身をゆだねれば、フレンチの真髄を存分に堪能させてくれるはずです。

【L'Atlas】
住所:東京都新宿区神楽坂6−8−95 ボルゴ大〆2°
TEL:03−5228−5933


■夜のバーも見逃せない、カジュアルフレンチ「ラリアンス」

 神楽坂通り沿いに一際目立つ、1000平方メートルという神楽坂最大級の広さを誇るカジュアルフレンチレストラン「ラリアンス」。フランス人シェフと日本人シェフの感性が融合した、和と洋のマリアージュ「フランコジャポネ」がコンセプトで、ミシュランで1つ星を獲得しています。日本産の魚介類や有機野菜と、キャビアやフォアグラなど海外の高級食材を組み合わせ、芳醇なソースでまとめ上げた至福の一皿を提供。店内のワインセラーには約3000本のワインを貯蔵し、ビンテージワインも豊富に揃っています。

 レストランの上階にあるバーは深夜3時まで営業しているので、食事が終わった後にもう少しお話したいという時に嬉しい。ピアノの生演奏や曜日限定のタロット占いもあり、仕事帰りにちょっと立ち寄りたくなる、大人の極上の隠れ家です。

【L'Alliance】
住所:東京都新宿区神楽坂2-11
TEL:03-3269-0007


■モンマルトルの酒場を再現した本格的ビストロ

 日常的に上質なフレンチを楽しみたい場合には、フランス人オーナーが経営するビストロやワインバーがおすすめです。神楽坂にはフランス人オーナーやシェフ、ソムリエが切り盛りする店が多数あります。ここではおすすめの4店をご紹介。

 1つは、ホテルオークラのフレンチレストラン「ラ・ベル・エポック」でソムリエを務めていたデュラン・ジャニック氏がオーナーのビストロ、「ル・クロ・モンマルトル」。食事は日本風なアレンジがないオーソドックスなフランス家庭料理で、ボリュームたっぷり。味もワインによく合う濃い目です。フランス人の常連客が多く、フランス語が普通に飛び交う店内でワインを傾ければ、まるで本当にモンマルトルにいるような気分に。フランス育ちの正統派料理を味わいたくなったら、このビストロに足を運んでみてはいかがでしょうか。

【Le Clos Montmartre】
住所:東京都新宿区神楽坂2−12 1F
TEL:03−5228−6478


■ブルターニュ地方の名物料理「ガレット」って?

 毘沙門天近く、神楽坂通りから横道に入ってすぐの場所にある「ル ブルターニュ」。ブルターニュ地方の伝統料理であるそば粉を使ったクレープ、ガレットを紹介した日本初の専門店です。ブルターニュ地方出身のフランス人オーナーが、フランスからクレープ職人を呼び寄せて始めました。クレープと言っても、卵やハム、新鮮野菜、チーズを使用したしっかりとした食事。シードルを飲みながらガレットを頬張る気取らなさが、休日のブランチにぴったりです。大人気で連日行列が絶えないのが難点ですが、一度本場のガレットを食せば、その美味しさのトリコになるはず。

【Cafe Creperie Le Bretagne】
住所:東京都新宿区神楽坂4-2-13 コンフォート神楽坂1F
TEL:03-3235-3001


■ブルゴーニュワイン専門バー&チーズバー

 ワインバー「メゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ」も、フランス人オーナーのこだわりがつまった、ブルゴーニュワインと郷土料理が楽しめる店。常時100種類以上のブルゴーニュワインがあり、グラスワインも多数あります。毎夜ワイン好きが集まるにぎやかなお店です。店内はブルゴーニュのワインカーブのように、天井と壁にブルゴーニュの石を使用したあたたかな雰囲気。外には開放感たっぷりのオープンテラスがあり、まるでここだけフランスから移築したような、そんな異国情緒が漂います。

 また同じく神楽坂にある姉妹店の「ラ・キャバヌ」は常時約40種類のチーズが揃うチーズバー。白カビ、ウォッシュ、青カビ、シェービル、ハード、セミハード、フレッシュなどさまざまな種類のチーズがあります。フランスの家庭料理やイベリコ豚の生ハム、自家製オリーブなど食事メニューも充実。世界各地のワインをグラスで楽しむことができます。

【Maison de la Bourgogne】
住所:東京都新宿区神楽坂3-6-5 Via神楽坂1F
TEL:03-3260-7280

【la Cabane】
住所:東京都新宿区袋町26 森田マンション1F
TEL:03-3260-8150


■ジャン=ポール・エヴァン氏の弟子の人気パティスリー

 料理だけでなく、神楽坂には極上のフレンチ・スイーツもあります。筑土八幡神社の近くにある「パティスリー カー・ヴァンソン」。目立たない場所にある上、店の概観も周囲の住宅街に馴染んでしまう白とパステルグリーンで、集客上どうなのだろう?と一瞬思ってしまう立地。それにも関わらず、いつも常連のお客さんでいっぱいの人気店です。

 この店は、ジャン=ポール・エヴァン氏の元で修行した女性パティシエ、石井 Vincent 敬子(イシイ ヴァンソン ケイコ)さんが2006年12月にオープンしたパティスリー。石井さんは1996年渡仏し、パリ15区の「ドゥース・エ・パティスリー」、ホテル「ジョルジュ・サンク」に勤務後、ジャン=ポール・エヴァン氏のショコラティエ「ジャン=ポール・エヴァン」に勤務。2001年にはパリ8区の4つ星ホテル「ロワイヤル・モルソー」でスー・シェフとして活躍しました。

 フランスの本格的な味をそのまま再現しているため、甘みやリキュールの使い方は日本人向けというよりフランスのそれに近く、かなりしっかり効いています。10〜15種類のケーキのほか、フィナンシェなどの焼き菓子やキッシュもあります。個性的なケーキはやはりチョコレート系が充実。他の店のケーキにはない口溶けのよさと奥深い味わいが特長です。

【patisserie K.ViNCENT】
住所:東京都新宿区筑土八幡町1-2
TEL:03-5228-3931


■和からフレンチまで、世界に認められた美食の街

 神楽坂はフレンチに限らず、和食や他ジャンルでも世界的に高評価を受けています。中でも「ミシュランガイド東京」2008年版で2つ星を獲得した「神楽坂 石かわ」は、2009年版で3つ星に昇格。またフランスの名店「タイユヴァン」でポワソニエを務めた笹嶋伸幸シェフのフレンチレストラン「ラ・コリンヌ」を擁する「アグネスホテル アンド アパートメンツ東京」は、ホテル部門でミシュランに掲載されました。

 一方、元首相や官僚たちが足繁く通った料亭や一見さんお断りの割烹も、往時よりは減少したとは言え健在です。花柳界という極めて日本的な文化と異国情緒が違和感なく同居する、それが神楽坂の最大の個性であり、人々を惹きつけてやまない魅力です。
 今回あげたいくつかの名店は、神楽坂の魅力のほんの一部を取り上げたに過ぎません。あなたもご自身の足で神楽坂を歩いて、その魅力を肌で感じ、お気に入りの一軒を見つけてみてはいかがでしょうか?


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