経営上手な国立大学ランキング
2009年10月23日(金)0時0分配信 ゆかしメディア
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2004年度から、国立大学はすべて国立大学法人となった。これで、各法人が自主的・自立的な大学運営をできるようになる、と喧伝された。現実的には、国から多くの交付金を受けたり、役員人事でも国から人を入れているところもある。しかも国民一人あたりの国立大学法人への負担額は732円(総務省調べ)とも言われる。だが、より一層の経営改善を迫られていることには違いない。そこで、YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)は、国立大の財務力を一度検証してみることにした。
ランキングにすると、1位は大方の読者の予想通りというか、京都大学が前年に続いて指定席に座った。金額にして約68億円。2位の北海道大学に約20億円の大差をつけた。以下、上位5大学は旧帝国大学勢が占めた。ちなみに最下位86位の九州工業大学は128万円となっており、規模の違いこそあれ、大きな差も浮き彫りとなっている。国立大学法人も生き残りを賭けた『企業努力』が問われているようだ。
現状では、即読者の方々のご子息の大学選びのモノサシとなることはないだろう。だが、やはり潤沢な資金があった方が、人や研究に投資する金額が多くなるのも、企業論理を前提とすれば当然だと考えられる。大学も資金力はあるに越したことはない。
◆国立大学総利益順位(2008事業年度)
順位 大学名 総利益
1位(1) 京都大学 6863百万円
2位(3) 北海道大学 4952百万円
3位(4) 東北大学 4594百万円
4位(6) 東京大学 4282百万円
5位(2) 大阪大学 4132百万円
6位(5) 東京医科歯科大学 4001百万円
7位(7) 九州大学 2928百万円
8位(10) 山口大学 2076百万円
9位(9) 愛媛大学 2019百万円
10位(11)広島大学 2000百万円
()内は昨年順位
■京大が全大学利益の1割弱を占める
1位となった京都大学を単体で見てみることにする。大学の発表によると、まずはその内訳を見てみることにする。運営費交付金収益584億円がダントツで大きく、次いで付属病院収益268億円、外部資金210億円、学生納付金収益137億円となっている。それらを合わせれば1354億円となる。経常費用など合計すると1286億円が出て行き、総利益が68億円となる。これは58大学法人の総利益757億円の中では、約9%、実に1割弱を占めている。
京大の発表には、『本学の運営努力による利益…約37億円』という項目がある。「主な利益要因としては、経費の削減などがあげられます。この利益は実際に大学の運営に使用できる資金の裏付けのある利益であり、文部科学大臣の経営努力認定を受けることを予定しています」と自己分析している。
昨年は「益川・小林理論」といわれる京大理学部時代に書かれた研究論文が、ノーベル物理学賞を受賞するなど、明るいニュースも出た。また、将来を有望視される「iPS細胞」の存在もある。昔はそれだけでも良かったのかもしれないが、今は違う。京大は今後、運営交付金を毎年度1%ずつ減らしていき、付属病院収入を毎年度2%ずつアップしていくことを目標にしているという。こうしたことを公言するあたりは、国立大学も業績UP? は当たり前の時代になったということか。
■株選びは会社四季報、大学選びは財務諸表?
運営交付金は性質上、普通に運営していれば、損益が均衡するように文部科学省は設計しているのだという。さすがに、経営者の方々を前にすれば「甘い」と言われそうだが、一応、全大学ともに黒字が出ているあたりは、ひとまず及第点というべきか。あとは、大学規模や運営努力によって、異なる結果が出てくる。
文科省は「自己収入の増や費用の節減などにより当期総利益(余剰金)が生じた場合には、次年度以降に繰り越し、剰余金の使途に充てることを可能とすることにより、業務運用のインセンティブを付与する仕組みとされております」としており、剰余金を多く出した大学を評価するとハッキリ認めている。
今後、大学を評価する際のモノサシの一つになる可能性はある。
株式投資の時に会社四季報を読み込むように、これから国立大学を選ぶ際には、その学校の教育内容のみならず財務諸表も見る時代がもしかしたら本当に来るのかもしれない。
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