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無重力の宇宙空間でグッスリ眠る方法

2009年10月27日(火)10時0分配信 All About

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睡っている間に、免疫がウィルスを攻撃します [ 拡大 ]

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 1957年10月4日に、世界で初めての人工衛星・スプートニク1号が打ち上げられました。国連ではこの10月4日から、1967年に宇宙条約が発効した10月10日までを、「世界宇宙週間」と定めています。

 今回は、近い将来には身近になると思われる、宇宙での眠りについてご紹介します。ちなみに「日本人宇宙飛行記念日」は、1990年にTBS の秋山豊寛記者が世界初の宇宙飛行士ジャーナリストとなった、12月2日です。

■増え続ける宇宙睡眠の体験者

 1961年にソ連のユーリイ・ガガーリンが、ボストーク1号に乗って人類初の宇宙飛行を行いました。このときの飛行時間は1時間48分しかなく、彼は目覚めたままで眠ることはありませんでした。

 しかし、その4ヵ月後には早くも、史上2人目の宇宙飛行士となったゲルマン・チトフが、宇宙に25時間滞在して人類初の宇宙での眠りを体験しています。チトフはそのときの感想を、「すばらしい眠りだった。浮遊感の中、赤ちゃんのようにぐっすり眠った。」と語っています。

 以来、今日まで宇宙での睡眠経験者は、400人を超えています。2000年には、国際宇宙ステーションでの宇宙飛行士の常駐が始まり、日本人としては若田光一氏が4ヵ月半、宇宙に滞在しました。さらに、旅行代金を支払えば民間人でも、国際宇宙ステーションに宿泊できます。ただし巨額の費用がかかるため、まだ限られた人たちだけではありますが…。

■地上とはちょっと違う、宇宙での眠り方

 地球に住む私たちは、布団やベッドの上に横になって眠ります。当たり前すぎて気にも留めていませんが、この行動は重力があるからできることです。宇宙空間では重力がほとんどなく、文字通り宙に浮いた状態で生活しているので、眠るときには工夫が必要です。

 スペースシャトルのデッキには、戸棚式の4段ベッドが備え付けてあります。ここで寝袋に入り、体を壁に固定して眠ります。こうすれば、眠っているうちにどこかへ漂っていってしまうことが防げるので安全です。

 それでも、寝袋から腕を出しておくと、写真のように腕が浮いてきます。気にならない宇宙飛行士もいますが、この格好が嫌な人は、腕も寝袋の中にしっかり入れて眠るそうです。

 睡眠時間は1日8時間が予定されていますが、作業時間が延長したり、窓から外の景色を眺めていたりして、実際には6時間くらいのことが多いようです。また、乗員が多くてベッドが足らない時には、コックピットにハンモックをつるして眠ることもあります。

 欧米や日本などで運用している国際宇宙ステーションの中では、グリニッジ標準時を採用しています。これはイギリスでの時間と同じで、日本とは8時間の時差あります。ここでは、21時30分から6時まで眠ることになっていて、8時間半の睡眠時間が確保されています。

■宇宙で眠るときに困ること

 アメリカではアポロ計画の後、1973年から翌年にかけてスカイラブ計画が行われました。スカイラブ計画は、宇宙ステーションを打ち上げて、その中で宇宙飛行士が長期間滞在し、無重力空間での実験や研究を行うものです。

 このとき、睡眠状態の客観的な研究のために、睡眠ポリグラフ検査が合計50夜にわたって記録されました。それによると、総睡眠時間が少し短縮したり、やや寝つきが悪かったりする傾向はありましたが、睡眠の内容やリズムはほぼ正常なことが明らかとなりました。

 ただし、宇宙空間での生活には、不眠になりやすい独特の原因もあります。それは、次に挙げるようなことです。

・宇宙酔い
 宇宙に出てから3日目くらいまで悩まされることがある、乗り物酔いの宇宙版です。重力がある地上では、目からの情報と脚の筋肉からの情報、そして耳の奥にある前庭という感覚器官からの情報の3つを総合して、バランス感覚を保っています。

 ところが、重力がほとんどない状態になると、目からの情報しか脳に入らなくなるので、平衡感覚が乱れてしまい、乗り物酔いの状態に陥ります。そのため、睡眠が妨げられることがあります。

・ムーンフェイス
 地上では重力によって脚に貯っていた血液が、重力が減ったために頭の方に移動して、顔がむくむことです。顔が満月のように丸くなるので、「ムーンフェイス」と言います。これは、余分な水分を尿にして体の外に出す働きによって、宇宙滞在3日目までには治りますが、それまでの間は鼻が詰まったりや頭が重く感じたりして、うまく眠れなくなることがあります。

・睡眠と覚醒のリズム障害
 地上では24時間周期で、昼と夜が分かれています。朝起きたときに、2,500ルクス以上の明るい光を浴びることで、体内時計がリセットされています。ところが宇宙船内では、この明暗の変化が少なく、場所によっては最大でも1,000ルクスの明るさしかないため、体内時計が狂うことがあります。そのため、時差ボケの症状が続いたり、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌量が減ったりします。また、季節性うつ病のような気分障害を起こして、過眠気味になることもあります。

・眠気が事故を起こす危険性
 宇宙に滞在できる時間が限られているため、宇宙飛行士は実験や作業に追われています。しかも、すべての業務が重要で、ときには生命が脅かされる危険にさらされることもあるので、毎日が緊張の連続です。ところが、いったん緊張がゆるむと、逆に眠気に襲われることがあります。1997年に起こったロシアのミール宇宙ステーステーションと補給宇宙船の衝突には、宇宙飛行士の眠気が関与した可能性も指摘されています。

 実際に経験するのはまだかなり先のことでしょうが、宇宙旅行中にもグッスリ眠れるよう、今から準備をするのも楽しいかもしれません。

【睡眠:坪田聡】

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