バイオ・アーツ・インターナショナル、クローン犬ビジネスから撤退
2009年10月7日(水)17時0分配信 dog actually
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数か月前、アメリカ同時多発テロで活躍した救助犬トラッカー(Trakr)のクローン犬が5頭誕生したというニュースが流れたことを覚えているでしょうか。アメリカのバイオ・アーツ・インターナショナルが、無償で1頭のクローン犬を提供するというゴールデン・クローン賞に選ばれたのがトラッカーだったのです。また、ゴールデン・クローン賞にならんで進められていたもうひとつのプロジェクトとして、5頭分の犬のクローン化権のオークションが行われました。犬のクローンビジネスそのものだけでなく、オークションでクローン化権を販売するという方法に対しても驚きを隠せなかった人々は大勢いたのではないでしょうか。
順調に進められているかのように見受けられたクローン犬ビジネスですが、バイオ・アーツ・インターナショナルの CEO、ルー・ホーソン氏が、自社ウェブサイトにてクローンビジネスから撤退することを公表しました。
まず、ホーソン氏は、ペットクローン市場が極めて小さく特殊なニッチであることを撤退理由のひとつとして挙げています。たとえクローン化が無料であったとしても、ペットのクローン化を拒む人が想像以上に多く、且つ、市場がとても小さいために、クローン化したいと考える人に対して低価格でクローンペットを提供することが不可能だからだそうです。ちなみに、マスコミに大々的に取り上げられたにもかかわらず、ゴールデン・クローン賞に応募してきた人は237人だけだったそうです。
さらに、クローン化技術の特許を正式に取得していない韓国の RNL バイオが、クローン技術のライセンス料を支払わずに低価格で同様のビジネスを行おうとしていることも挙げています。RNL バイオが提示している金額は、同社が当初掲げた金額より80%も値を下げたものであり、それでは到底代理母のケアなどの生命倫理的保護などは出来ないと述べられています。
また、身体的に予想出来ないような欠陥を持つクローン犬が誕生していることも理由とし、その一部を公表しています。たとえば、本来ならば黒&白の毛色で生まれてくるだろう子犬の白毛であるべき部分が、緑がかった黄色のような毛色で生まれてきたり、骨格の形成異常があったり、オスのドナーから生まれたクローンがメスになっていたりということが起こっていたそうです。
それでもどうしてもペットのクローンを望むペットオーナーに対し、バイオ・アーツは AOL が提供するペットニュースサイト「Paw Nation」にて次のようなアドバイスをしています。
「技術が進歩して、クローン動物の健康面での問題が改善されるまで待ちましょう。繁殖方法が自然交配であってもクローン作製であっても、ある程度の確率で健康ではない子が産まれてくることは確かです。しかし、犬のクローンでの結果を見るに、目下のところそれは容認しがたいものであります。研究者たちがクローンで生まれてくる犬たちの健康面を改善させることができたとしても、ペットクローニングの顧客は、代理母や、どんな形であろうと生まれてきた子犬を含めて、アニマル・ウェルフェアのための保護手段を主張するべきです。それらの保護手段にはとてもお金がかかるため、犬のクローン作製は決して安いものにはならないことを心にとめて欲しいと強く思います。また、アメリカのシェルターでは多くの犬や猫が安楽死させられています。あなたの愛するペットをよみがえらせようとする前に、それらのペットのことを考えてください。新しいペットは愛するペットの代わりにはならないかもしれませんがその一方で、クローンペットもまた真の意味では代わりにはならないからです。」
クローン犬ビジネスのひとつが、いったん幕を閉じることになりました。動物を愛する気持ちも、愛情表現の方法も人それぞれのものかもしれませんが、このニュースにホッとした気持ちを抱いたのは、きっと私だけではないのではないでしょうか。
(satoko)
【参考サイト】
・バイオ・アーツ・インターナショナル
・Paw Nation