「それぞれの動物愛護のカタチ」イベントレポート (3)
2009年10月24日(土)22時32分配信 dog actually
[ 拡大 ]
-PR-
新木美絵
「それぞれの動物愛護のカタチ」イベントレポート3回目は、dog actually ではおなじみの新木美絵さんの登場です。新木さんはイギリスに住んでいた時にレスキュー団体、Dogs Trust から犬を引き取り暮らしてきた経験を交えて「『Rehoming』という選択肢」というテーマで話をしてくれました。後半は「Rehoming」に留まらず、もっと広く普遍的な話にまで広がっていきます。
まず実験動物代替法の提案として知られる3R(Replacement, Reduction, Refinement)やゴミの3R(Reduce, Reuse, Recycle)を例に出し、新木さんの考えた犬の3Rを紹介してくれました。
- Reduction(殺処分数、生体販売、パピーミルを減らす)
- Refinement(法改正、犬の welfare の改善)
- Rehoming
ここで「Rehoming」という言葉について「家を失った犬に新たな家を見つける」ことと説明し、実際の「Rehoming」について Dogs Trust の紹介ビデオを流しながら解説してくれました。ペットショップでの生体販売がなく、犬の売買が非常に厳しいイギリスでも、年間10万頭近くが迷子犬や捨て犬として保護され、そのうち1万頭近くが安楽死処分になっている事実は、Rehoming がとても重要なシステムとして残らなければならないことを明確に表しています。
「レスキュー団体はどうあるべきか」というテーマでは、たとえボランティアのレスキュー団体であっても、動物を扱う者として、とにかく清潔な施設であることが必須であることを強く主張します。新木さんの動物に対する深い思いやりが感じられました。また、スタッフの対応も非常に大事であると続けます。対応や印象が悪い施設やスタッフでは、引き取りたいという考えも消えてしまい、もったいないですよね。
それから、実際イギリス人も、かわいそうだからという理由で Rehoming する人ばかりではないことに触れ、できるだけ高額にならない Rehoming料によって、金銭的負担なく犬を手に入れることができるメリットを提供することも大事ではないかと提案してくれました。
その上で、多くの人々が実際に犬を見に訪れた時、レスキューが、犬を飼うことの責任を強く教育しなければならないし、飼育が難しい条件の人は、犬を飼うことを諦めるよう説得しなければならない、そうやって、犬を飼うことが初めての人にとっても、教育の場になってほしいということです。
つまり、犬を飼おうとする人に対しては、ペットショップに来る感覚で気軽にレスキュー施設に遊びに来て、犬を飼うということについてまず学んでほしいといいます。その上で厳しい条件や審査は当たり前という認識を持って、むしろいいブリーダーから犬を譲ってもらうのと同じように、厳しい条件をクリアしてレスキュー団体から引き取ったということに誇りが持てるような社会になってほしいと訴えます。
動物愛護については、感情的ではなく論理的に考え説明できることが重要だと話します。よくある例として、悪徳ペットショップで売れ残っている犬をかわいそうだからと買ってしまうと、結局は同じ状況の犬を増やしてしまう結果になるということに触れ、よく考えて行動をすることの必要性を語りかけていました。動物愛護の話をするとひかれることがあるという司会の藤村さんの体験談に対しては、それだけの関係だったと割り切ること、と新木さんらしいアドバイスも。
すぐにできるアクションとして、まずは目を背けずに事実を知ること、そして、まだまだ知らない人がほとんどなので周りの人に教えてあげること、それから、生体を扱うペットショップでは動物も商品も買わない、そもそも行かないことなどを挙げてくれました。
そしてより普遍的な話として、強者は弱者を守る必要があると訴えます。ヒトと犬との関係で言えば、強者がヒトで弱者が犬、ドアを次の人のために開けて待つ人は強者で次に通る人は弱者。これは相手を思いやる気持ちを持つ者と持たれる者の関係で、人間でも動物でも、相手を思いやる気持ちと気遣いが何より大事であるという話は、強く印象に残っています。
動物が損害を受けるときには、私たちすべてが損害を受ける
(マーク・ベコフ)
先進国におけるペットの数は、平和と福祉と経済力の証といえるだろう
(バスター・ロイド・ジョーンズ)
これら先人の言葉を紹介し、動物の扱いと国の文化度の関係についても軽く触れつつ、この言葉の意味をぜひ自分たちでも考えてみてほしいと語っていました。
最後に、実際に犬を Rehoming し暮らしてきた新木さんは、Rehoming とは「忍耐」であるといいます。そして、人間としてとても誇るべき行為であり、暖かい家、暖かいご飯、新しい命、新しい Home を授けることは、本当に素晴らしくて本当にすごいことであると力を込めて話してくれました。このときの新木さんの思いは会場の隅々にまで深く浸透していった気がします。
僕自身も次に犬を迎える時には、Rehoming という選択肢を考えようと思っています。会場のお客様に訊いた「今後犬を飼うとしたらレスキュー団体などから犬を引き取ることも選択肢にある?」という質問にもかなりの方が挙手してくれました。僕は「Rehoming」という言葉がとても好きです。とてもポジティブで暖かいイメージがあります。この「Rehoming」という言葉と行為が日本でもっと自然に受け入れられるように、dog actually でできることを考えたいと思います。
(akira)
【関連記事】
・「それぞれの動物愛護のカタチ」イベントレポート (1)
・「それぞれの動物愛護のカタチ」イベントレポート (2)
・「それぞれの動物愛護のカタチ」イベント参加のお礼