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血統書を読む

2009年10月30日(金)12時23分配信 dog actually

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血統書に載っている名前よりもなによりも、犬と血統書の整合性を示すのには個体識別番号の方が重要である。うちの犬の場合「M37」が個体識別番号。この番号はうちの犬の耳の裏にタトゥーとして入れられているものと同じである。 [ 拡大 ]

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愛犬が純血種であるという場合、何よりもそれを証明するのが血統書であるはずだ。
「はず」と書いたのは、その血統書の記載事項に誤りがなければ、と言う前提条件付きだからだ。

血統書の記載事項の真偽は別のテーマとして、今回は記載事項の中身を見てみよう。

血統書の中身

まずは血統書の一番上を見てみよう。そこにはこの血統書を発行した団体の名前が書いてある。

血統書発行団体が別の団体の傘下にあるならば、さらにその脇には親団体のマークが記載されている。例えば日本ではジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)発行の血統書にのみ国際畜犬連盟(FCI)の公認マークが入っている。これは JKC 発行の血統書が FCI 加盟国において書き換えできるという団体間での取り決めである。同じくアジア・ケンネル・ユニオン(AKU)のマークが入っていればそれは AKU 加盟国間で犬の審査なしに書き換えることが出来るというもの。

このように国際的に団体間で血統書の書き換えが容易になるということは、繁殖を目的とした登録の手続きを多少スキップできると考えればいい。血統書に発行団体以外のマークが入っていなければその血統書は団体内登録事項においてのみ有効と言うことで、別団体の血統書に書き換えるためには団体主催のドッグショーなどに出て団体規定の犬種スタンダードに沿っているかどうかの審査を受けなければならない。

そして血統書が発行されるのは、両親犬が同じ血統書発行団体に登録されている同犬種であり、両犬とも犬種スタンダードに沿った特徴を持ち合わせ、それらから生まれてきた犬たちにのみ。

もし仮に両親犬それぞれが登録されている団体が異なる場合、団体間に公認協定がなければ例え同一犬種の両親犬であっても血統書は自動的には発行されないのが普通だ。つまり犬の繁殖を管理する上で国際的な団体公認協定は犬の血の健全性を保つための交配相手選びに大事な役目を果たし、近親交配を避けるためにも重要な意味を持っている。

血統書はその名のとおり犬の血統(先祖)を証明するもの。そこには愛犬の生まれた犬舎(母犬の飼い主が作出者)と愛犬と同時に生まれた同胎犬の数・性別、愛犬の両親犬・祖父母犬・曾祖父母犬まで三代(または四代)にさかのぼる名前(と生年月日)、団体登録番号そして賞歴(CH:チャンピオン、F.T.CH:フィールド・トライアル・チャンピオン、AG.CH:アジリティー・チャンピオンなど)が書かれているのが一般的だ。

両親犬が繁殖に適した犬であると認定されているときには記載があるほか、先祖を見て名前が重複する場合には近親係数が高くなるので健康面が少々懸念され、また父母兄弟間での交配の場合には近親作出であることの記載がなされていなければならない。

犬種によっては股/肘関節形成不全症(HD/ED)や心疾患診断の評価、スタンダードから外れた毛色であることなどを記載し、血統書を持つその犬の繁殖への適・不適を示している。

さて、ここまで話しておきながら、手元にある血統書が絶対愛犬のものであるという証明はどこにあるだろう?記載してある生年月日が合っていても違う犬のものであったりしては意味がない。

生年月日やコートの色、性別だけでは個体の識別としては不十分、例えば「2004年4月27日生まれのレッドのメスのミニチュア・ダックス」なんて記載だけではその血統書が絶対愛犬のものである!と第三者に証明することはできない。そこで、同じ犬種・同じ色・同じ性別の犬が数頭並んでいても確実に個々を見分ける手段、それが個体識別である。

目の前の血統書が愛犬のものであるという決定打は、個体識別のための記載如何にかかっているのだ。

一部の国では昔から犬の個体識別の方法として「タトゥー(刺青)」を行ってきた。犬の耳の内側や後肢内股にアルファベットと数字を組み合わせた識別番号を入れ、その識別番号を血統書に記載してきたのだ(注:犬の識別タトゥーはヒトの刺青とは異なりスタンプ式で一瞬で終わるため痛みを伴わない)。

ただタトゥーは年が経つにつれだんだんと薄れて読めなくなることが多いので、現在ではそれがマイクロチップに取って代わりつつある。つまり血統書にマイクロチップの番号を記載することで、その血統書が該当番号の犬に属するということを証明してくれるのだ。

この個体識別番号が記載されていない血統書は「使いまわし」とか「偽造」とかいわれても仕方ないと個人的には思っている。血統書は「証明書」だから記載事項の一つ一つが正しいことを第三者に証明できなければいけないのだ。

ついでだから話しておこう。時々耳にする「血統書付きだから繁殖させた方が良い」と言うのは全くの間違い。純血種が珍しかった昔ならまだしも、巷に純血種ばかりが溢れかえってしまった現在では飼い主自身が血統書の記載事項を読むことができず、その判断ができないのにただ血統書の有無だけで繁殖を決定するのは究極のナンセンスというもの。

そして「血統書が付いているから価値の高い犬」というのも間違い。いまどきパピーミルで生まれた犬だって血統書が付いている時代だ。繁殖犬の管理の悪さや QOL(命の質)を考えるとけっして高値はつけられないはずなのだが、どうやら血統書を隠れ蓑に商売は横行しているようだ。そこでは血統書が本来意味するところの「犬種を支えるために向けられたブリーダーの長年にわたる情熱と努力に対する特別な敬意」というものが悪用されている。もう少し消費者は賢くなった方がいいだろう。

愛犬のルーツを知りたくはないか?

ここで血統書の使い方のひとつを紹介しよう。

アメリカのサイト「PawVillage.com Online Pedigree Database」では登録されている犬達のデータベースを誰もが利用できるというサービスを提供している。特に愛犬が洋犬の場合にはこのサービスを使えば先祖や親戚・兄弟が調べられるかもしれないのだ。

先祖犬の名前の前に CH.AM などの賞歴が書かれていればヒットする確率は高い。

検索手順は簡単、Name のところに個体名(血統書名)あるいは犬舎名をいれ、Breed(犬種)を選び search をクリック。検索結果として出てきた一覧からお目当ての犬を選ぶと、その犬の生年月日やコートカラー、オーナーなどの情報が表示される。

さらには画面下のにある項目では以下のことを知ることができる。

  • Pedigree: 検索した犬の先祖3-4代前までの犬の名前とカラー、そして賞歴・獲得タイトルの記載
  • Progny: 交配相手とその相手との胎仔
  • Sublings: 同胎犬と異父母兄弟犬

この Pedigree に記載されている最も古い先祖を再びクリックし、もっと過去の先祖犬を調べることだってできるのだ。

愛犬の体に流れる過去の血を知り、ルーツを知ると、ちょっとだけ愛犬を見る目がまた違ってくるかもしれない。








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