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予防接種の記録管理

2009年11月3日(火)10時2分配信 dog actually

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ペットパスの中。全ページ下部にパス番号が入っているほか、愛犬の基本情報記入欄には個体識別番号と箇所について記入する欄がある。2011年からは記載される個体識別の方法がマイクロチップ番号のみに限られる。 [ 拡大 ]

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個体識別の手段としてマイクロチップの話に続き、血統書のほかに個体識別を必要とする場面についてお話しよう。

犬を飼っている飼い主には狂犬病予防法により毎年の狂犬病予防のためのワクチン接種が義務付けられている。

年に一回の定期集合注射で受ける場合にはその場で予防注射済票が引き換えとしてもらえるほか、動物病院でワクチン接種を受ける場合には接種後に発行される注射済証明書をもって管轄の役所へ出向き予防注射済票の交付を受けることができる。

この注射済証明書はただ持っているだけでは無効、それを役所で犬鑑札と予防注射済票に替えてもらわないと義務は中途半端に終わってしまうということを忘れずに。もらった犬鑑札と予防注射済票は翌年の接種時期まで犬の首輪につけておかなければいけないという決まりだ。

さて、問題はこの注射済み証明、ここでまた個体識別の記入のない証明書はどこまで有効だろうか?

狂犬病予防法に規定されている予防注射済証の記載事項には「種類」「生年月日」「毛色」「性別」「名」「体格(大・中・小)」「その他の特徴」があり、最後の「その他の特徴」の欄に愛犬を絶対に識別できる何か特別なものが書かれていなければ、その証明書が愛犬のものであると言い切るのは大変難しい。

特に同犬種を多頭飼いしている場合、飼い主自身は見分けが付くが他の人にAちゃんとBちゃんを間違えられても無理はないだろう。またAちゃんは狂犬病予防注射を受けていて、Bちゃんは受けていない場合、知らない人にはAちゃんの予防注射済票を持ってBちゃんが注射済みであると偽る事だってできる。それでもマイクロチップが入っていればAちゃんとBちゃんはリーダーで読み取ることで区別ができるのだ。良くも悪くも個体識別の大事さがここにある。

現状では海外からの輸入犬にはこれが厳しく要求されているのに、国内においては予防注射済証明書にすら明確な個体識別が記載されないなんてのはどこか片手落ちに見えないか?国の体制がこの程度ではマイクロチップだって普及するはずがない。

とまあマイクロチップの話はこの辺にしておいて、問題はさらに続く。

接種したワクチンの証明書をファイルに閉じて保管するのもいいが、ワクチンの記録をもっと簡単に利便性をもったものにすることはできないものか?

前置きが長くなったが、今回は現在EU圏に住む犬に義務付けられている予防接種の記録を記した「予防接種手帳」なるものを紹介しよう。

EU圏では犬が予防接種を受けると必ずその場で黄色い「予防接種手帳」(あるいはカード)が発行される。手帳(あるいはカード)の所定の欄にワクチンのバッチナンバー(シール)を貼り、接種日・動物病院のスタンプと獣医師のサインを記入し、もちろんパス(あるいはカード)には当該犬に関する情報(犬種・生年月日・名前・性別)があらかじめ書き込まれ、そして個体識別のためのマイクロチップあるいはタトゥー番号も記入されている。

余談だが、国際保健機構(WHO)の指定により私たち人間が予防接種を受けた際にも同じく黄色の「予防接種手帳」が発行される。ヒト・犬に関わらず「黄色い手帳はワクチン手帳」という明解なシステムなのがちょっと面白い。

話を戻して、犬が予防接種証明を必要とされる際(検疫提出用、ドッグショー会場への入場、動物病院でワクチン状況を知りたいときなど)、これを見せることで公式な予防注射済証明書として通用している。

2004年からはさらに青い「EUペット・パス(別名:EUパス)」がEU圏で導入され、これまでの黄色いパス同様に個体情報を書き込みさらには犬の写真が貼れるほか、このペット・パスには人間のパスポート同様に一冊ごとのシリアル・ナンバー(通し番号)が付いているため、まさに犬のパスポートとしての役割を担うことになった。特にこのペット・パスにおいてはマイクロチップでの個体識別がなければ記載事項は無効とされるということも追記しておこう。

犬が国境を越える際にこの番号と個体識別番号を登録することで国ごとの検疫管理を行うという地続きのヨーロッパならではの発想であるペット・パス。現在ではEUの多くの国間で検疫所が廃止されたため、EU圏内の狂犬病の発生国と清浄国の間でペット・パスによる取締りが行われている状況だ。

このペット・パスには狂犬病予防接種の記録だけでなく、その他の予防接種(パルボウィルス症、ジステンパー、肝炎など)や外部寄生虫(ノミ・ダニ)対策の記録、さらには狂犬病に対する抗体価証明、健康診断証明の欄もある。

それでいて大きさは本当にパスポートサイズなのが飼い主にとってはうれしい。この大きさなら携帯にも便利で、また家族の健康保険証などと一緒に保管することができ紛失の危険性は低い。一枚ごとに出される証明書がバラバラするよりも、もちろんまとまっていた方が管理はしやすいのだ。

この簡単明瞭なペット・パスが公的証明書として通用できるのは、あくまでもEU圏で共通・統一して導入されているから。日本でも今では個々の動物病院で同じようなパスを発行しているところがあるが、できればこういったことは行政で全国統一してもらいたいところだ。そうすれば国内の犬の管理はもう少し明解になるかもしれない。








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