ベルギーで見つけたレトリーバーだけのための犬学校
2009年11月4日(水)11時0分配信 dog actually
ベルギーのコートリックで行われたユーロドッグショーではレトリーバーによる回収技のデモが行われた。最近、レトリーバーのフィールド技をみせるイベントが多くなったような気がする。 [ 拡大 ]
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レトリーバー・ファンなので、レトリーバーについて久しぶりに書いてみたい。
ベルギーのコートリック・ユーロドッグショーを訪れたときのこと。メインリングではいろいろなドッグスポーツのデモが行われていたのだが、そこでレトリーバーの回収技デモがあった(ガンドッグ・ディスプレーと名打っていた)。このショーでは昨年から導入されたそうだが、いやはや、最近は多いよ、レトリーバー・デモが、世界各国で。
ちょっと前まではレトリーバーの本家本元、イギリスのドッグショーぐらいでしか見れなかったのに…。やはり世界的にブームなのだろうか、このスポーツ。驚いたのはそれだけじゃない。デモを主催している団体が、なんとレトリーバー専門の犬訓練学校だというのだ。レトリーバーだけのためのドッグスクールだなんて、初めて聞いたもんだ!その名もなんと
「WILL TO PLEASE」
おおおぉ…。
レトリーバー・ファンではない方のためにちょっと説明をつけくわえておくと、レトリーバーの気質を表す定番の言葉がこの”Will to please”、ウィル・トゥ・プリーズ。「喜ばせたい!」つまり「お仕事大好き!」というレトリーバー独特のサービス精神のことだ。わたしとはまるで正反対の性格である…。
デモではレトリーバーが本来フィールドで行う猟技を見せてくれた。指示したダミーを取らせるように(転がっているどのダミーでも取っていいというわけではなく)、ハンドシグナルを出し遠隔で犬を操作したり、笛をふいて突然止まらせたり。かと思いきや、ひとつのダミーを取らせている間にわざと二つ目のダミーを投げて、気を散らせる。でも指定したダミーを絶対に取らせるなど…。
いずれもすばらしく訓練が入っており、これならもう世界大会にいつだって出れるような犬ぞろいであった。デモはしかし、私のような「ちょっとかじりました」訓練者にため息ばかりをつかせる技の見せびらかしのみに終始しなかった。子犬からどうやって訓練をするべきか、という初心者入門デモもあった。若いキャピキャピとしたフラットコーテッドレトリーバーがその役をつとめた。
若い犬だから失敗もする。それを訓練者としてどうやってフォローするのか、どう学習を正しく入れてあげればいいのか、そんなお役立ちデモもあったからさすが犬学校主催、教育的。見ていてとても楽しかったし、ギャラリーは人盛りとなっていた。
そしてウィル・トゥ・プリーズは、これらレトリーバー技を教えることに専門化したドッグスクールというわけである。
いやぁ、しかし待てよ。ちょっといつものレトリーバー・デモと違わないか、と思ったものだ。それは、なんとラブラドール・レトリーバーが一匹も出ていなかったこと!イギリスのガンドッグ・ディスプレーなんて、ややもするとブラック・ラブばかりの時もある。
これは主催者にどうしても聞かずにはいられなかった。
「ゴールデンとフラットばかり。ガンドッグのデモでこうゆうのは珍しいですよね?」
とウィル・トゥ・プリーズの一人の女性訓練士の方に尋ねた。
「あら、そうなのよ。ほら、フィールド競技会って、ラブばかりが優勢でしょ。このクラブ(ウィル・トゥ・プリーズ)を作ったメンバーっていうのが、実はそれを打破したい人たちの集まりだったの。もっと他のレトリーバー種にも光を当てたら!と。そうじゃないと、ワーキングの能力はラブばかりに残されて、他の犬にはなくなってしまうかもしれない」
だからメンバーの多くは、回収技に長けて、訓練性のよいゴールデンやフラットを作るブリーダーが多いのだそうだ。もちろんこの学校ではラブはウェルカムであり、かなりの生徒さんがいるそうだ。
ワーキングの素質は確かに、丁寧にブリーディングしないと失われてしまう可能性がある。たとえば、ペット系のゴールデンには、回収にすら興味がないという個体も最近増えたと聞いた。
犬を作る、と私はこのブログの中でよく表現しているけれど、それはただむやみに繁殖させる、という意味ではない。犬種を作るということは、親犬を選択して、欲しい素質を見極め、そして健康的なその犬種らしい犬種を生み出すということに他ならない。
ドッグスクールであるにもかかわらず、ウィル・トゥ・プリーズもやっぱり犬種の機能を残す、というブリーディングの精神がベースになっていたとは、面白いと思った。
【関連記事】
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