女子校と男性教師
2008年4月10日(木)0時0分配信 AERA
掲載: AERA 2008年4月14日号
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必ず「さん」付けで呼ぶ
女子校側も生徒と男性教師の関係に問題が起きないよう、対策は講じている。
都内のある中高一貫女子校では、ほとんどの相談室の窓の一部がガラス張り。外から見えない密室で教師と生徒が相談することを防ぐためだ。ガラス張りでない密室で相談が必要なケースは、複数の教師で対応する決まりになっている。
この女子校の管理職によると、採用時にも気を配っているという。男性教師の場合はほとんど新卒は採らず、前任校で女子生徒や女性教師に対して問題行動はなかったかを念入りに調査する。もちろん総合的な評価によるが、女性のきょうだいがいる男性は、女性に慣れているので女性に対して変な意識が少ないという点でプラスポイントになるという。
豊島岡女子学園(豊島区)の進路指導主任の十九浦理孝さん(33)は、生徒とは精神的、物理的距離を取るようにしているという。
「好意を持たれた生徒とは一対一で会わないのは鉄則。呼び方も必ず『さん』付けで呼び、一線を引くよう心がけています」
神奈川県の横浜雙葉学園(横浜市)の千葉拓司校長は、最大の防止策についてこう話す。
「生徒も先生も、受験やいじめ、多忙など様々なストレスで、教育現場の中で孤立すると、一対一の関係に逃避しがち。常にオープンに悩みを話し合えるような環境を作っておくことが最も大事ではないでしょうか」
漫画『鈴木先生』作者・武富健治さんが語る
教師の仕事は爆弾処理班
教師を主人公にした作品を描くと決めた時に、生徒への性的感情は避けて通れないテーマだと思っていました。教師にも当然性欲はある。
教師もいろいろだと思いますが、教え子と恋愛関係に発展する背景には、特に「清純さ」を求める男性が、同年代の女性よりもまだ世間をよく知らない高校生、さらには中学生に「清純さ」を見いだして傾倒していく傾向があると思います。同世代の女性に清純さを見いだせるなら、わざわざ年下にいくこともないはずですからね。
最近の子は発育もいい。教師は性欲を感じちゃいけない、感じるようなやつはダメだと、社会が一方的に決めつけ追いつめていくのは、乱暴な議論ではないでしょうか。このテーマは読者からの反響が一番大きく、特に女性からは「気持ち悪くて読めない」「こんな先生がいたらイヤ」という感情的な反応が多かった。「気持ち悪い」と簡単に口に出せる時代こそ、気持ち悪いと思います。教師の仕事は「爆弾処理班」のように危険と隣り合わせということを、もっと認識してほしいと、作品中で何度もこのテーマを取り上げました。
教師は学校という孤立した空間でずっと過ごしているわけではなく、社会と関わりながら生きている。教師の倫理観の欠如の背景には社会全体の倫理観の欠如があるのではないでしょうか。これだけ自由恋愛を見せられて、教師だけは教え子と恋愛するなと一方的にいうのはどうかと思う。もちろん、教師側も「自分たちには性欲があるんだ」と開き直ることなく、「なぜ教えるのか」という哲学を持って、子どもたちに向き合ってほしいと強く思います。
たけとみ・けんじ/1970年生まれ。中学教師の苦悩と日常を描いた『鈴木先生』で、07年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞
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