香山リカが警告
「女たちよ、勝間和代を目指すのはやめなさい!」
(週刊朝日 2009年09月25日号配信掲載) 2009年9月16日(水)配信
勝間和代氏の著作群。今後も新刊が発売される予定だ [拡大]
「『頑張ってもうまくいかない』『頑張れない自分はダメだ』……こう訴える30代、40代の女性の患者さんが増えています。すごい成功はしていなくても、ちゃんと仕事や家庭を持ってふつうに暮らせているのに、幸せを感じられなくなっているんです」
と、香山氏は言う。
本のサブタイトルは「『ふつうの幸せ』を手に入れる10のルール」。なぜ現代人は「自分が」「自分が」と主張ばかりし、そこにある「幸せ」に満足できず、心穏やかに暮らせないのか──と、香山氏は一貫して本書で問うている。
その10番目のルールとして設けられている最終章が、「〈勝間和代〉を目指さない」だ。そこで香山氏は精神科医としての半生をふりかえり、抱えてしまった重荷を告白する。
〈病院という場で仕事をしていると、医者の私も心の中で「なぜこの人がこんな不幸な目にあわなければならないのか」と神に抗議したくなるような人に、毎日のように出会う〉
〈「がんばれば夢はかなう」とか「向上心さえあればすべては変わる」といったいわゆる“前向きなメッセージ”を聞くたびに、診察室で出会った人たちの顔を思い出して、こう反論したくなる〉
競争社会、格差社会なのだから、向上心を持ち、努力して成功していく。その成功とは結果である──というのが現代の風潮である。
だが、その陰で、香山氏は自分の経験から、事故、病気、環境などの事情で、努力したくてもできなかった人たちが、「夢がない」「努力が足りない」と簡単に切り捨てられていくのではないか、と危惧するのである。
そして、そんな競争社会の成功者として、俎上にのせたのが、件の勝間和代氏(40)だ。
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