山口・光市母子殺害事件
「元少年実名本」の驚く中身
弁護団vs.著者・出版元
(週刊朝日 2009年10月23日号配信掲載) 2009年10月14日(水)配信
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山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件の被告である元少年(28)の実名を掲載した本が出版された。元少年の弁護団は、実名掲載が少年法に触れることなどを理由に出版差し止めの仮処分を広島地裁に申請した。なぜ実名で出版に踏み切ったのか。少年法は被告の権利をどこまで認めるのか。「表現の自由」と「被告の人権」を巡って波紋が広がっている。
10月7日、光市の母子殺害事件で死刑判決を受けた元少年=当時18歳、上告中=の実名をタイトルに冠した本が一部の書店に並んだ。
著者は一橋大学職員の増田美智子氏(28)。著書は、増田氏が昨年8月4日から今年8月7日まで25回にわたり元少年と接見した際のやりとりを中心に、元少年の父親や同級生らを取材した内容を紹介している。このほかに、元少年の中学の卒業アルバムからとった顔写真まで掲載している。
実名や写真を掲載した理由について、増田氏は著書の中で、
〈匿名報道がA君の人格を理解することを妨げていると思うからだ。名前や顔写真が出ないことで、ひとりのAとは違う、いわばモンスターのようなイメージがふくらみ、それが死刑を望む世論を形成しているのではないか〉
と記し、実名報道に関して元少年本人の了承も得ていると付け加えた。
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