ロシア
ロシアで急成長する「ファストフード」のお味は?
(クーリエ・ジャポン 2008年10月号掲載) 2008年9月22日(月)配信
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オレンジ色のモダンな店内で、赤い制服を着たティーンエイジャーのスタッフが笑顔で客を迎える。モスクワとサンクトペテルブルクに店舗を持つ「テレモーク」での光景だ。同店のメニューに並ぶのは、米国風のハンバーガーではなく、ロシア風クレープ「ブリヌイ」だ。43ルーブル(約200円)でバターを塗ったブリヌイ、182ルーブルでイクラが入ったブリヌイを食べられる。
外国のファストフードの定番を売るのではなく、伝統料理を売ることでテレモークはロシアで4番目に大きなファストフードチェーンに成長した。昨年の収益は、6300万ドル(約69億円)。今年はそれを上回る1億1000万ドルの収益を見込んでいる。さらに、米国や欧州への進出も視野に入れているという。
テレモークは1998年の経済危機を契機に誕生した。創立者のミハイル・ゴンチャロフ(37)はカザフスタン出身で、モスクワ大学で数学を学んだ後、電子機器を販売するビジネスを立ち上げた。だが98年8月、ロシアの株式市場が暴落すると事業は破綻(はたん)する。「最初の一ヵ月は落ち込んでいました。しかしその後、新たな事業を始めようと思い直したのです」。
彼は同年、株価が暴落する前にロンドンとパリを訪れていた。そのとき街中で目にしたクレープ屋をヒントに、ブリヌイを売る店を開くことを思いついたという。まだファストフードが少なかった当時のロシアで、マクドナルドは一つのモデルになっていた。
「モスクワのマクドナルドのクオリティーは高い。僕はそれに匹敵する、もしくはそれを上回るものを作りたいと思いました」。ゴンチャロフは8万ドルを資本金に、最初のテレモーク・スタンドを99年4月、モスクワのレニングラード大通りに開店した。
彼は、ロシア経済が再び上向き、外食に金を使う新たな世代が育ちはじめていたころに、洒落(しやれ)たファストフード店を展開するという幸運に恵まれた。調査会社のユーロモニター・インターナショナルによると、ロシアの消費者は、とにかく楽しいことを求める。そんななか消費者の関心を引きつけるために、テレモークは定期的に新しい具材が入ったブリヌイを売り出している。
テレモークは国外進出にあたって、そのロシアっぽい雰囲気を払拭(ふつしよく)したいと考えている。「あまりロシア企業のイメージを引きずりたくないのです。欧州や米国ではロシア人はあまり好かれていませんから。でもロシアの美味しい食べ物なら好きになってくれるかもしれません」。
タイム(USA)より
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