中国
中国大陸に攻め込む「蒋介石の曾孫」
(クーリエ・ジャポン 2008年11月号掲載) 2008年11月5日(水)配信
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市民の虐殺や白色テロをはじめ、"偉大な曾祖父と祖父"が関与した歴史の暗部を知った当初はひどく困惑したと話す。台湾で「大陸反攻」を念じながら世を去った蒋介石の願いを、曾孫が叶えた──。先ごろ、中国は上海にデザイン会社「常橙」を設立した蒋友柏(32)は、そう言われることに不快感を示す。「先達の“笠”がなければ何もできないようでは、蒋姓を名乗る資格はありません」。
台湾で彼のことを知らない人はいない。由緒ある血筋の出で米国帰り。デザイン会社「橙果設計」を経営し、バラエティ番組にも出演するおしゃれで長身のイケメン──。「若いころは、まるでアラジンの魔法のランプを持ってでもいるようでした」と語る蒋は、ニューヨーク大学在学中には、不動産売買で稼ぎ、高級レストランやバーで散財する、貴族の子弟のような生活を送った。
人生の谷間も知っている。96年に父親が48歳で死去。故郷へ戻って弟とデザイン会社を始めたが、開業から半年後には早くも業績不振で倒産の危機に見舞われ、リストラのため、苦労して海外から招いたアート・ディレクターを切り、従業員を半分以下に減らすという挫折を味わった。だがその後、独特のデザイン理念の確立、経営の合理化によって会社を建て直し、自ら営業活動に奔走して、ソニーやインテル、ビュイックなど有名企業を顧客に持つまでにした。
国民党の宿敵、民進党にも友人を持ち、曽祖父や祖父の過去に対して批判的な発言をして注目されたこともある。ただ、彼自身は政治活動とは距離を置き、政治に接するときには企業人としての立場を貫く。「『蒋家の4代目』と言われるのは好きじゃない。僕が『蒋家の1代目』だと言われるようになりたいんです」。
南方人物週刊(中国)より
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