ロシア
政治経済のKGB化
(クーリエ・ジャポン 2009年5月号掲載) 2009年4月24日(金)配信
ロシア経済は過去数年間、資源高に沸いていた。だが、資源関連企業が輸出で稼ぐ外貨は、有効な国内投資に回されなかった。本来ならば好況のうちに、銀行システムの健全化や資本市場の改革、知的財産権の強化や法の支配の徹底といったロシア経済の問題解決を進めるべきだったのだが、潤沢なオイルマネーは外資系銀行や海外の資本市場の手に委ねられ、彼らはそのマネーをガスプロムやロスネフチへ投資した。これらの企業には国の支援があるという暗黙の了解があったからだ。
ところが、石油価格が下落し始めると、外資系銀行がロシアへの融資を停止し、ロシア経済の脆さが明白になった。今やビル建築現場のクレーンの動きは止まり、自動車や鉄鋼工場も生産を止め、人員整理を始めている。ロシア経済はオイルマネーに依存しきっていたのである。
こうした事態に対し、ロシアのシュバロフ第一副首相は「オイルマネーはこれまでロシア経済を腐敗させ、インフレを招いてきた。われわれの経済感覚も狂っていた。これはいいチャンスだ。これからは内需産業と金融セクターの育成を行う」とうそぶく。たしかに一理ある。ロシアの問題は経済というより政治の問題だからだ。
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