環境問題に“大義名分”だけで取り組む日本人、“利益誘導”で取り組む欧米人。「ビジョンなきCO2削減論」の先にあるものは?
(ダイヤモンドオンライン 2009年9月29日配信掲載) 2009年9月30日(水)配信
鳩山由紀夫首相が、9月22日に国連気候変動首脳会合で演説し、温室効果ガス削減の中期目標について、主要国参加による「意欲的な目標の合意」を前提に「2020年までに1990年比で25%削減を目指す」と表明しました。ここまでは、新政権のシナリオ通りかも知れません。しかし、ここから先は、まさにシナリオなき世界で、国際交渉、産業界や国民を含めた国内の合意形成等、難題が山積です。
この問題について、私も「CO2削減の仕事をしている方として、ご意見を?」という質問をいただくことがあります。しかし、私は、別にCO2削減のために仕事をしている訳ではないので、正直回答に困ってしまいます。むしろ、「環境問題=地球温暖化問題=CO2削減」と考える思考停止にこそ、違和感を覚えてしまうのです。
いま、この問題では、産業界が抵抗勢力の如くやり玉にあげられているように感じますが、そもそも、CO2を出すことを生業にしている企業などないと思います。CO2は、われわれの生活を豊かにするためにつくられる製品の製造過程や、日常生活を営むためのエネルギーを利用する過程で排出されるものです。昨日よりも今日、より豊かな生活をしたいと願うのは、われわれの本源的欲望であることから、そのこと自体を否定することはできないと思います。
しかし、その過程で出されるCO2は、かなり否定されています。こうした「生活向上とCO2排出のトレードオフ」という本質的な問題を掘り下げて考えることをせず、「地球温暖化防止のためにCO2を削減すべし」という大義名分で語ろうとしてしまうところに、無理があるように思えてなりません。
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