NTTドコモ(上)世界最速のインフラを手にする 「ザ・携帯電話」が直面する難題
(ダイヤモンドオンライン 2009年10月6日配信掲載) 2009年10月7日(水)配信
一見すると、携帯電話の世界は、各社が入り乱れて競争しているように感じる。だが、競争の実態は、最大手のNTTドコモから奪ったパイをau(KDDI)とソフトバンクモバイルが取り合っているというほうが正確である。そもそもルーツである自動車電話の時代は、NTTのシェアは100%だった。これまで、焦点が当てられなかったNTTドコモが抱える難題に迫る。(取材・文/『週刊ダイヤモンド』編集部 池冨 仁)
「NTTだろうが、ダメだ」
1985年8月15日、その3日前に起きた日本航空123便墜落事故を受けて、群馬県多野郡上野村の御巣鷹に向かっていたNTTの特命チームは、墜落現場である尾根にさしかかる手前で警察官に止められた。
その日、NTTドコモの母体となった高度通信サービス事業本部移動体通信事業部でサービス開発担当課長だった加藤薫隊長(現在、取締役常務執行役員兼経営企画部長)は、総勢8人で12台のショルダーホン(試作機)を担いで行った。その新型電話は、1台の重さが約3キログラムもあった。
NTTの特命チームの前に立ちはだかった警察官は、汗だくで山道を登ってきた全員が肩から黒い奇妙な機械を提げていることに気づいた。「それは何か?」と聞いてきたので、すぐさま加藤隊長は「電話機です。これを使ってもらうために、やって来ました」と答えると、「ここで使えるのか?」と念を押す。「使えます!」。
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