ライフネット生命 出口治明社長 特別寄稿 「政権交代で『政治の見える化』は期待できるか」
(ダイヤモンドオンライン 2009年10月20日配信掲載) 2009年10月21日(水)配信
出口治明ライフネット生命社長 [拡大]
民主党政権が誕生して、1ヵ月が経過した。一般に、新政権発足後100日間はハネムーン期間と言われているので、拙速な評価は差し控えたいが、政権が「変わる」ということが政治にどれだけのダイナミズムをもたらすかということについては、既に市民が十分実感したのではないかと思われる。
新政権の取り組みで個人的に注目している点が3つある。
1つは、マニフェストを実直に実行しようとしている点である。これまでは、政治の世界における「公約」は、選挙目当てのものが大半であった。政治家だけではなく有権者の側でも、選挙が終わればほとんどその中身を忘れてしまう、それが公約というものの実態だった。
現に政治評論家の中にも、民主党は安定多数を獲得したのだから、財源問題にも留意してマニフェストに捉われず柔軟な政策遂行に努めて欲しい、という注文を出す人が多い。しかし、新政権は、マニフェストをいわば国民の指令書として愚直に実行に移そうとしている。これは、朝令暮改が常態であったこれまでのわが国の政治の在り方から考えれば、かなり注目すべき動きではないか。すなわち、政治の世界に、「言葉の重要性」、言い換えれば、言ったことは必ず実行する、という先進国ではごく普通の市民政治の常識を持ち込もうとしているように見受けられるのである。
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