JALを「企業年金給付削減のための立法」に利用するな【山崎元コラム】
(ダイヤモンドオンライン 2009年10月28日配信掲載) 2009年10月29日(木)配信
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日本航空(JAL)の問題が決着に向けて動かざるを得ない段階を迎えているようだ。
年末、あるいは一部では11月末にも、資金がショートするのではないかと観測されている。また、同社は現在実質的に巨額の債務超過であるとも公然と語られている。取引先の中には同社向けの与信管理をより厳しく見直す向きが出てきたと報じられているが、JALの現状を考えると当然のことだ。利用客の間でも、JALのマイレージをなるべく早く使ってしまいたいと考える向きがあるようで、これらの動きが、同社の財務状況を一段と追い込んでいる。何れにしても、年末に向けて、2千億円程度の資金が必要と見られている。
JALの経営状況が苦しいことはもともと周知の事実だったが、前原国交相が、就任直後から会社側の再建案を現実的でないと一蹴しつつも、その後間を置かずに現実的な再建案が提示される運びにならなかったことにも問題があったのではないか。また、同大臣が送り込んだタスクフォースも航空会社経営の専門家集団というよりは、企業の解体売却の専門家的な人選と思われ、JALの経営再建というよりは破綻処理を連想させた。前原氏が大臣に就任する前日(9月15日)のJALの株価(終値)は170円だったが、10月26日の終値は117円だ。情報が市場を含む経済活動に与える影響に対して、もっと敏感であるべきではなかったか。前原大臣が何度か発言したように、JALの破綻が「あってはならない」と本当に考えているなら、もっと頭を使うべきだ。
『日本経済新聞』(10月25日朝刊)によると、政府は、企業再生支援機構を使った救済案をまとめつつあるようだ。法的な破綻処理は避けるが、民間だけでの再生手続きでは権利関係の調整が難しいということだろうが、民間企業であるJALの長年にわたる経営の失敗に対して、政府が主導する形で(ある意味では圧力を掛けて)債権放棄や債務の株式化を民間の債権者に飲ませると共に公的資金を注入するというやり方には、これが適切なのかという疑問が湧く。
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