二度と登頂できなくなっても私は訴えるチョモランマ「死の聖火リレー」の言語道断
巨大駐車場に売春宿、報道規制で表に出ないチベットの文化的ジェノサイドここに極まれり!
2008年5月16日(金)0時0分配信 SAPIO
掲載: SAPIO 2008年5月14日号
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自由な発言が許されない公安だらけのチョモランマ
さすがの中国も、今は国際社会の目があるため、かつてのチベット動乱の時のように人民解放軍を大量に投入して露骨なチベット弾圧をすることは難しい。そこで行なっているのが、近代化という美名の下の文化的ジェノサイドなのである。
今、中国政府は、伝統的な生活を続けてきたチベット遊牧民を強制的に草原から街や村落に移住させている。国営の新華社通信の報道などによれば、07年のうちに6万人を移住させ、さらに10年までに4万人の移住を完了させるという。表向きの名目は、遊牧民が暮らす地域にある水源の保護、過放牧、砂漠化、気候変動などで痩せた草原の保護、つまり環境保護となっているが、本当の狙いはチベット人の伝統的な生活様式を抹殺することにあるのは明らかだ。
こうした文化的ジェノサイドの一方、日本ではあまり大きく報道されなかったが、何の罪もないチベット人に対する銃殺事件も起こっている。
06年9月30日にも約70人のチベット人の集団がネパール側のナムチェバサールという村に交易に行くためにナンパ・ラ峠を越えようとしていた。ところが、これに対して中国国境警備隊が突然発砲し、2人のチベット人を殺したのだ。当初、中国当局は「銃撃事件は承知していない」とコメントしていたが、ナンパ・ラ峠には登山隊のためのベースキャンプがある。その時も外国の登山隊が多く滞在しており、たまたまルーマニアの登山家が銃撃の様子を撮影、その映像をインターネットに流したため、中国当局は事件を認めざるを得なくなり、「自衛のために発砲した」と釈明した。だが、チベット人の集団は中国国境警備隊を攻撃したわけでもなく、暴動を起こしたわけでもない。
この事件以降、ラサやチョモランマでは中国の公安が急激に増えた。去年の春に私がチョモランマに入った時、ベースキャンプでアメリカ人の登山家が「フリーチベット」と紙に書いた瞬間、公安に逮捕されてしまった。私はチベット登山協会の知り合いに「彼は暴動を起こしたわけでも、人に危害を加えたわけでもない。ただ紙に『フリーチベット』と書いただけではないか」と抗議した。だが、登山協会の人の言葉に私は黙らざるを得なかった。「それ以上言うな。言えば、今度はお前を逮捕せざるを得なくなる」
これが今、チョモランマで起こっている現実である。
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