かつての学生運動世代が反米親北イデオロギーで完全復活
籠城、断食、火炎瓶に焼身抗議まで韓国労組の「ラジカル武装闘争」いまだ止まず
2008年7月4日(金)0時0分配信 SAPIO
掲載: SAPIO 2008年6月25日号
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文=水野俊平(北海商科大学教授)
世界の労働組合の組織率が低下する中、著しく減少しているのが韓国の労組である。組織率は米国をも下回る10・6%(05年)。労組の根幹をなしてきた金属業種の衰退とIT業種の発展がその一因だが、ここにきて状況が一変している。10年にも及んだ左派政権から保守政権への転換が、かつての学生運動世代の反動精神を過激に呼び醒ましているのだ。
韓国の労働運動が過激化している。昨年11月11日、韓国の二大労組の一つである「民主労総(全国民主労働組合総連盟)」と在野市民団体である「進歩連帯」が「汎国民行動の日 民衆総決起大会」を無許可で強行した。2万人ものデモ隊がソウル都心に結集し、「韓米自由貿易協定(FTA)破棄」「派遣労働者制度撤廃」「国家保安法廃止」などを叫んで警察と衝突。デモ隊は前進を阻止する警察バスの屋根に脚立をかけてよじ登り、制止しようとする警察官ともみあいになった。この日の集会ではデモ隊が石や竹竿で警察の鎮圧に対抗し、警察官12人、集会参加者60人余りが負傷した。
過激化しているのはこうした社会的要求を掲げた運動だけではない。労使間の懸案をめぐる活動も同様である。5月1日のメーデー集会の途中、建設産業労組の組合員150人余りがグループ企業の本社に突入を試みて警察と衝突、警察官と組合員など10人余りが負傷した。また中部の都市・清州では半導体企業の労組が同じく工場突入を図って警察と衝突、負傷者が続出した。工場突入に失敗した組合員らは警察の鎮圧に抗議して夜11時まで街頭デモを行なった。
韓国ではこうした激しい労使紛争が年平均300件も発生しているとされる。また韓国の警察庁によれば暴力デモ件数は03年134件、04年91件、05年77件、06年62件で毎年減っているが、集会で発生する警察官負傷者は04年621人、05年893人、06年817人と増加傾向にある。
こうしたラジカルな労使紛争による生産性低下は避けられず、紛争による経済的被害は年間2000億円を上回るとされ、韓国の証券業界では特定企業の労使紛争を株価下落をもたらす定数として計算するほどである。さらに過激な労使紛争が国外に伝えられ、韓国に対するネガティブなイメージが定着し、国外からの投資不振を招いているともされる。金大中・盧武鉉政権のもとで民主化の進んだ韓国で、なぜ労使紛争が暴力化し、デモが過激化しているのだろうか。
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