胡錦濤「対日重視政策」で逆上!
ラップで「日貨排斥」、反中論者には「人肉調査」共産党批判まで始めたネット愛国戦士「憤青」の反日妄言録
(SAPIO 2008年7月23日号掲載) 2008年8月1日(金)配信
文=吉村麻奈(在北京ジャーナリスト)
いまや2億2000万人以上のユーザーを抱える中国のネット空間には、愛国を叫び反日を煽るネット紅衛兵≠ェ跋扈している。しかし、彼らの活動は必ずしも無制限というわけにはいかない。その時々の国際情勢や外交戦略によって翻弄される厳しい現実も存在するようだ。
「小泉(純一郎元首相)に抗議していた熱血青年たちよ、どこにいったのだ。君たちの国家利益は執政党に売っぱらわれたのだ!」
6月19日、憤青(=怒れる青年)と呼ばれる反日愛国的民族主義青年が集うウェブサイト「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」に中国共産党を罵倒する書き込みが登場した。東シナ海ガス田共同開発で日中が合意した翌日のことである。この書き込みは、HuとWenという仮名ではあるが、明らかに胡錦濤国家主席と温家宝首相を指す名前をあげて、「福田(首相)の子皇帝(傀儡指導者)になるがいい」とまで非難し、「われわれは統治者を選べないが、売国奴にならない権利はある」と主張した。憤青には福田首相にそんな甲斐性があるように見えるのか、という驚きは別にして、愛国サイトが真正面から党批判、指導者批判を行ない、独裁体制の不幸を嘆いたのは初めてではないだろうか。同サイトはこのほかにも「(共同開発合意は)21世紀の馬関条約(下関条約)だ」「屈辱の歴史を繰り返すのか」と非難の書き込みが連なりその日のうちにアクセス禁止となった。2003年から5年間続いた中国の愛国民族主義オピニオンリーダーたる同サイトも一時閉鎖に追い込まれた。
2億2000万人以上のネットユーザーを抱える広大な中国ネットの海の中ではささやかな出来事に過ぎないかもしれない。だが、インターネット上の憤青の妄言や蛮行に、ときには呆れときには笑わせてもらいながらウォッチしていた人間にとっては感慨深いものがある。江沢民政権による10年以上の「愛国反日教育」によって洗脳され、党に忠実なネット紅衛兵に過ぎなかった憤青たちがついに党批判を行なうまでに公民意識に目覚めたのか、と。あるいは、いよいよ利用されるだけ利用されて、党に見捨てられるときがきたのか、と。私が中国に来た01年以降のネット上の憤青たちの言動を振り返りながら、その変遷をたどってみたい。
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