若さと美容、健康のため「アメリカ永住権を買う」スーパーリッチも
点滴1回1万円から200万円人間ドックまで セレブ向け「命を救わない医療」大繁盛中
(SAPIO 2008年8月20日・9月3日号掲載) 2008年9月17日(水)配信
文=多桗正芳(ジャーナリスト)
かつて「儲かる医療」の代名詞といえば美容整形だった。いま、その範囲が急拡大している。保険制度に縛られない「自由診療」として、老化防止の点滴に20万円、高級ホテル滞在の人間ドックに200万円。もはや医療は「命を救う」ものではなくなったのか。ジャーナリスト・多桗正芳氏がレポートする。
東京都渋谷区にある恵比寿ガーデンプレイスのなかに、カフェやレストランにも負けない客足を誇るクリニックがある。一般外来の他に点滴専門スペース「TENTEKI 10」を併設した恵比寿ガーデンプレイスクリニックだ。点滴の基本的な内容は、ストレス、肉体疲労、肌荒れ、肩こり、ビタミン不足、精神不安定などに対する効果が期待できる、ビタミンB群やビタミンCなどを含んだ点滴(ベーシックパック=2000円)だが、人気を博しているのは、ベーシックパックに、プラセンタやアミノ酸など、美容やアンチエイジング効果が期待できる様々なオプションメニュー(2500円〜3000円)と組み合わせたオリジナル≠フ点滴が打てることだ。
もちろん、保険適用外の自由診療だから決して安くない。一回の点滴で1万円以上かける人もいる。しかも、「10〜20回、通っていただいている方も多くいらっしゃいます」(クリニック関係者)。つまり、なかには、10〜20万円あまりのお金をかけて点滴を満喫する人もいるわけだ。
美容やアンチエイジングのための新たな形の治療に取り組んでいるのは、「TENTEKI 10」ばかりではない。たとえば、オゾンを使った血液の浄化療法で、活性酸素除去・免疫力のアップが期待できるという「血液クレンジング療法」(1回3万円程度)や、食物や大気から自然に体内蓄積される水銀・鉛・アルミニウムなどの有害物質を点滴により体外に排出し、動脈硬化症予防や新陳代謝改善を目指す「キレーション療法」(1回1万数千円から。これ以外に、定期的な点滴やサプリメントの服用などが必要となる)といった新技術が、アンチエイジングや体質改善を掲げる都市部のクリニックで導入され始めている。
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