二宮金次郎、平重盛、吉田松陰……「日本的美徳」を体現したあの物語がなくなった!
「人間は平等だから」という理由であの偉人が教科書から消えていた=濤川栄太
(SAPIO 2008年11月26日号掲載) 2008年12月3日(水)配信
戦後教科書から多くの歴史上の偉人が「消された」。表面的に触れられているだけか、階級闘争史観から否定的に扱われている人物も多い。それが日本人の精神の貧困をもたらしたと、ベストセラー『教科書から消された偉人・隠された賢人』の著者である哲学者・作家の濤川栄太氏は指摘する。
「この民族は、喜望峰以東で私が出会った民族の中で最も傑出している」
16世紀半ば、我が国に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの言葉である。
私は他民族を蔑視する思想の持ち主ではないが、日本人が先祖から「慈悲・慈愛」「篤実」「高貴な精神」「謙虚さ」「繊細さ」といった優れた人間的資質を受け継いできたことは確かだと思う。
だが、こうした美徳はすでに過去のものになったと、以前から指摘されてきた。拝金主義が蔓延し、弱肉強食を当然のこととし、無差別殺傷事件が連続して起こる今日の状況を見ると、ますますその感を強くする。
日本人の美徳がすたれた原因には様々あるが、国家の土台を作る教育に第一の原因があることは間違いない。特に戦後の教科書から歴史上の偉人たちが「消されて」しまったことが大きい。
言うまでもなくこれは、GHQが敗戦前の日本の歴史を全否定し、東京裁判史観に基づいた教育を日本に強い、それに階級闘争史観を持つ左翼系の学者が乗ったからだ。偉人の価値を権力に抵抗したかしないかで決めたり、「人間は誰でも平等」という社会主義的イデオロギーで偉人を排除したりした。
こうして戦後の子供たちが歴史上の偉人について学ばなくなり、それとともに日本人の美徳も消え去ってしまった。これは由々しき大問題である。
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