石油・穀物の高騰も、ドル・ユーロ暴落もすべて完璧に説明できる
世界を覆う金融大恐慌を「謀略史観」はこう読み解く=ベンジャミン・フルフォード
(SAPIO 2008年11月26日号掲載) 2008年12月11日(木)配信
文=ベンジャミン・フルフォード(ジャーナリスト)
今回の金融危機は過去に経験した危機とは違い、金融システムそのものが崩壊したものである。おそらく第2次世界大戦より人類にとってインパクトの大きいものになるだろうが、対策を講じれば講じるほど株価が暴落してしまうという、これまでのセオリーがまったく通用しないこの未曾有の混乱は、経済学ではとうてい説明がつかない。
しかし、これまでの流れを謀略史観≠ナ見ると、すべて説明がつく、とジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏は主張する。サブプライムローン問題に始まり、これから起きるパラダイムシフト。背景には知られざる巨大権力同士の世界支配を巡る激しい争いがあるのだという。
世界に大きな変化が訪れようとしている歴史の転換点ほど、このような見立てが魅力を放ってくる。果たして、これは謀略史観≠ニ一笑に付されるべきものなのか。読者の判断に委ねたい。
当初、サブプライム問題で直接焦げ付いたローンは4800憶ドルだと言われていた。これは14兆ドルという米国のGDPからすれば、本来ならどうにでもなった金額だ。しかしふたを開けてみるとそれは氷山の一角でしかなかった。今年10月の最初の2週間だけでも、アメリカの銀行が毎日4300億ドル以上を米連銀から借りている。わずか2週間で約5兆ドルものお金を銀行に注ぎ込んでも、問題は解決されないのだ。
金融の世界で動いている資金の総額は天文学的だ。世界の中央銀行の中央銀行と言われるBIS(国際決済銀行)によると、世界の金融派生商品の残高は07年12月現在で596兆ドルで、これは世界のGDP54兆ドルの10倍を超える。しかもBISは全部を把握していないと認めている。
このまま米連銀がドル紙幣を印刷して銀行に注ぎ込んでもハイパーインフレを起こすだけだ。別の言い方をすればアメリカが国家破産をし、米国一極集中とドル本位制が終わったと見てもいいだろう。アメリカを中心とした欧米の世界支配は確実に終わりつつある。この歴史的な転換を理解するためには、今回の金融危機の本質を知らなくてはならない。それはまさに世界の支配者であった欧米と、新興勢力である中国、ロシアとの主導権争いに他ならない。
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