「生活保護の年収300万円」は果たして「弱者に厳しい国」だろうか=本誌編集部
(SAPIO 2009年7月8日号掲載) 2009年7月16日(木)配信
文=本誌編集部
格差社会論議で声高に主張されるのが、生活保護など「セーフティネットの崩壊」である。日本は先進国にあるまじき「弱者見殺し社会」なのか。調べてわかったのは、一部メディアの主張とは異なる意外な「優しさ」だった。
「貧困」「不平等」などの言葉ばかりがメディアに躍る日本。いつの間に酷い格差社会になってしまったのか。
「そんなことはありません。日本における貧富の格差など、欧米や中国の格差の足元にも及びません」
そう明言するのは、『格差社会論はウソである』を著わした経済アナリスト・増田悦佐氏だ。だが、日本の貧困を示す指標としてよく使われる「経済協力開発機構(OECD)に加盟する国のなかで比較すると、日本の相対貧困率は世界2位」という調査結果をどう見ればいいのか。
「この報告書で貧困層が増えたというのは、無理。年収の中央値(データを小さい順に並べたとき、中央に位置する値)を基準に貧困層を判断するこの方法では、所得格差が小さい日本のような国では、どうしても貧困率が高くなってしまうからです」(前出・増田氏)
そもそも、日本の貧困層≠ノ分類される人の収入は、格差の大きな欧米などの貧困層と比べれば、ずっと裕福だ。たとえば、もっとも貧しい下位10%に分類される人々の年間所得を平均した統計(人口5000万人以上の国家に限ったデータ)によると、日本の貧困層の年収は1万2894ドル。ルクセンブルク、ノルウェーに次ぐ世界3位の豊かさである。
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