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世界の大富豪「アラビアのバフェット」が繰り出す、中国、インド、アフリカ買収計画=前田高行
(SAPIO 2009年8月5日号掲載) 2009年8月12日(水)配信
文=前田高行(中東経済問題研究家)
イスラム教の聖地・メッカを擁する世界最大の産油国にして、中東随一の親米国家。一般市民が厳しい戒律の下で暮らす一方、2万人の王族は贅沢三昧。巨額オイルマネーの情報開示もされない秘密の国で、「サウジアラビアの富」を象徴する投資家がいる。米タイム誌が「アラビアのバフェット」と名づけたアルワリード王子の人物像を中東研究家・前田高行氏が解説する。
日本ではあまり知られていないが、『フォーブス』誌の億万長者番付の10数年来の常連で、「アラビアのバフェット」と呼ばれる男がいる。アルワリード王子。07年、ビル・ゲイツと共同でフォーシーズンズ・ホテルを買収。米シティグループの個人筆頭株主としても有名だ。
その他、モトローラ、タイムワーナー、P&Gなど、彼の直接投資先は巨大企業だけでも150社、それらの子会社を含めれば5000社にもなるといわれる。その投資手腕は、ウォーレン・バフェット本人が「私が米国のアルワリードです」と王子宛の手紙に書いたほどだ。
総資産は、07年が210億ドル(当時のレートで約2兆4000億円)で世界13位。昨年秋のリーマン・ショック以降の世界金融危機による株価下落で77億ドル減らし、08年は22位に落ちたものの、いまも133億ドル(約1兆3000億円)の資産を持つ。
王子の正式な名前は、「HRHアルワリード・ビン・タラール・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド」。「サウド家のアブドルアジズの息子タラールの息子であるアルワリード殿下」という意味だ。HRHは「ヒズ・ロイヤル・ハイネス」の意味で、王位継承権を有する王子であることを示す称号だ。
サウジアラビアは1931年に建国された、絶対王制国家である。2大聖地メッカ、メディナを擁する厳格なイスラム国家だが、冷戦を通じて、米国や英国など西側諸国との関係を深めてきた。
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