「おバカタレント」「小悪魔ageha」ヒットの秘密は都会と地方の格差にあり
階級化社会を元気に生き抜く「ヤンキー文化」が地方を活性化する=速水健朗
(SAPIO 2009年9月30日号掲載) 2009年10月12日(月)配信
文=速水健朗(フリーライター)
若者を格差社会の被害者と捉える論調が大勢のなか、しかしいざ地方に行けば、格差に不満の声など上げずに楽しく生きている若者がいる。そう、ヤンキーだ。著書『ケータイ小説的。』でケータイ小説の読者が地方のヤンキー少女であることを見抜き、現代を「再ヤンキー化」時代と指摘した速水健朗氏が、不況を生き抜くヤンキーの生態を報告する。
ケータイ小説には 「東京」が出てこない
最近、ヤンキーを題材にした映画「クローズZERO」やドラマ「ごくせん」「ROOKIES」がもてはやされ、おバカタレントの木下優樹菜などヤンキー出身の芸能人が人気を博すなど、ヤンキー文化に再び注目が集まっている。しかし、ヤンキー文化は今に限らず、言及されてこなかっただけでずっと日本文化の大きな一分野を担ってきたのだ。たとえば、
60年代に人気を誇ったアイドルグループの元祖「ジャニーズ」は、ジャニー喜多川氏が映画「ウエストサイド物語」に登場するアメリカの不良グループからヒントを得たことからわかるように、
SMAP、KAT︲TUNなどジャニーズタレントの多くは「不良」のエッセンスをうまく取り入れている。
では、なぜここにきて注目されているかというと、それは「地方」というキーワードによるところが大きい。
その象徴が、地方のヤンキー女性に支持されている「ケータイ小説」だ。これまでの出版業界の常識では、小説自体が首都圏の書店でしか売れないものだった。しかし、ケータイサイトに掲載された小説を書籍化したケータイ小説本はその逆で、都心型の「紀伊國屋書店」などでは驚くほど売れない一方、郊外型ショッピングモールの書店や国道沿いの「TSUTAYA」などで爆発的に売れた。県別売り上げで見ると、北海道、愛知、福岡などの地方都市が東京を上回る、従来の販売セオリーを覆す動きを見せたのだ。
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