世界金融危機以降、寂れる観光地では大歓迎だが……
リゾート投資に沸くチャイナマネーの 標的は「パウダースノー」「富士山」「温泉」
(SAPIO 2010年3月10日号掲載) 2010年3月18日(木)配信
文=山村明義(ジャーナリスト)
「観光立国」を目指す日本としては、海外からの観光客は大歓迎だ。だが、ここでも商売上手は日本人ではなく、中国人のようだ。
中国人だらけのリゾート地
北海道虻田郡ニセコ町と倶知安町にまたがり、カナダのウィスラーに匹敵すると高く評価されるスキー・リゾート「ニセコ」。かつては東急不動産やコクドといった日本資本による開発が積極的に行なわれていたこの地区は、現在は外国資本が参入する「国際リゾート」の最前線だ。
2つの町を合わせても人口3万人に満たないニセコ地区は、毎年冬になると、世界各国からスキーやスノーボードを目当てに多くの長期滞在の宿泊客で賑う。特に四季がちょうど逆になり、また時差もほとんどないオーストラリアからの観光客が多いことはたびたびメディアでも紹介され、彼らを相手にするペンション、ホテルを経営するオーストラリア資本も多い。
ところが3年ほど前から、このニセコ地区への投資が、アメリカやオーストラリアなど欧米系資本から中国・香港系資本へ移行し始めた。
最初の動きはニセコのリゾート開発業者が中国・香港系資本へ買収されるというものだった。07年9月15日、地元の北海道新聞がこんな記事を掲載している。
「香港のPCCWグループが8月下旬に、後志管内倶知安町の花園地区で大規模開発を計画しているオーストラリア資本の日本ハーモニー・リゾート(東京)を買収したことが14日までにわかった。オーストラリア人でにぎわうニセコ山系に香港資本が大規模リゾート開発で参入する」
日本ハーモニー・リゾートはニセコで大規模な宿泊施設やスキー教室、ゴルフ場の運営を手掛けており、これを買収したPCCWは、李嘉誠総帥率いる香港最大の財閥「長江実業グループ」の通信会社だ。その不動産部門の「PCPD」を経営する李嘉誠氏の次男・李沢楷(リチャード・リー)氏が、オーストラリアの親会社ハーモニー・リゾーツ・ニセコから日本ハーモニーの株式を100%取得。当時これを報じた北海道新聞によれば、買収額は「20億円から30億円」と見られるという。
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