【世界陸上】
ボルトの進化と日本短距離界の未来〜通りすぎることが許されない壁
(Sportiva 2009年9月号掲載) 2009年8月22日(土)配信
8月16日の男子100m決勝。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の9秒58という世界記録は驚異的ではあったが、会場にいたプレスや観客は、驚きだけで受けとめたわけではなかった。
昨年の北京五輪では、無風という条件のうえ、ゴール前では喜びのあまり、胸を叩いたり両手をだらりと下げて走ったり……、ボルトはそれでも9秒69を出していたことを考えれば、「真面目に走りきれば9秒5台も可能」という思いもあったからだ。
ただこれで彼が、男子100mの歴史をまた大きく前進させたのは確かだ。本格的に100mを始めてからわずか2年で、ボルト以前の世界記録を0秒16も縮めてしまった勢いは、まだまだ止まりそうにない。
さらにこの大会、決勝では前回王者のタイソン・ゲイ(アメリカ)も9秒71の自己ベストを出して2位になった。彼は恥骨を痛めていて、スタートではしっかりと地面を押せない状態だったという。それでもこのタイムで走ったということは、万全ならボルトの前世界記録を上回る9秒6台の記録は出せていたということになる。
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