次の10年で目指すのはイノベーションで1位――新浪剛史・ローソン社長
(東洋経済オンライン 2009年08月21日掲載) 2009年8月27日(木)配信
コンビニの進化に挑む新浪氏 [拡大]
――コンビニが誕生して35年。その役割や機能は大きく変化しているように思います。
最初の25年から30年弱、コンビニはまさにイノベーションの塊だったと思います。たった30坪超の店に、ケーキ屋の売れ筋を入れたり、書店の売れ筋を入れたりしながら、どんどん進化してきた。おにぎりだって、われわれは新しい機械を徹底的に研究してセブンと競争した。
ところが、それが30年くらい経ったところで止まってしまった。イノベーションから出店競争に変わったことで、衰退の時期を迎えたんです。イノベーションのDNAが死んでいってる。出店競争の結果、自店競合が起こり、加盟店との信頼関係も揺らぎ始めた。地殻変動が起こっている。危機感を感じています。
次の30年は、出店競争から既存店のイノベーション競争に変えていかなければいけない。人口減と高齢化も進むでしょう。20〜40代男性をコアターゲットとしたモデルではもはや成長できない。一方で、50代以上の人口は今後も増えていく。だからここを攻めることで、コンビニもまだまだ成長の余地があるんです。
――それが今、力を入れている生鮮コンビニですね。
生鮮コンビニの展開によって、50代以上の顧客が全体で15%は増えた。構成比は2割程度。一番立地を取るのが厳しくなる中、これなら路地を入った二番立地でも勝てる。am/pmの買収が破談になりましたから、今はこれが首都圏戦略の中心。
最近は生鮮コンビニを利用する若い人も増えている。こういう事実から普通のローソンが学ぶこともありますね。今、生鮮を扱う店は2000店くらいですが、日配品や地域特性を持った商品を強化すれば、利用の機会はまた増える。
これからは、忙しい人のための「タイムコンビニエンス」から、近いというメリットを消費者がもっと享受できるような「ディスタンスコンビニエンス」を追求していく。今がその変革期だと思っています。
われわれは、加盟店の皆さんをリードしなければいけませんから、次の時代のコンビニはこうなるという将来の絵を描いてあげる。それをタウンミーティングなどの場できちんと話す。加盟店は10年の契約ですから、次の10年も大丈夫だということを見せないとダメです。短期政策も重要だけど、中長期の夢がないと。
僕はあと10年は社長をやるつもりです。だから、10年後にローソンはイノベーションで1位になっていると思いますよ。店舗数ではない。それぞれの町でいちばんいいコンビニであるためのイノベーションです。
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