トラブル急増の「追い出し屋」問題、規制論議が始まるも見えない着地点
(東洋経済オンライン 2009年08月24日掲載) 2009年9月8日(火)配信
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社会問題化する追い出し屋 [拡大]
7月24日、大阪、愛知、福岡の賃貸物件の借り主が、家賃滞納を理由に強引に退去を迫られたとして、不動産会社などを相手に損害賠償を求め、一斉に提訴した。
「執拗な取り立てで睡眠障害に陥り、うつ病に追い込まれた」。提訴した名古屋市の20代女性は語る。頼れる親族もおらず、母子家庭で4歳児を育てるこの女性は、入居の際に賃貸仲介会社から家賃保証会社「フォーシーズ」との契約を求められた。その後、子供の病気による想定外の収入減で家賃滞納に陥った。
幼子を抱えるため仕事はアルバイトしかなく、毎月ごとの家賃支払いで精いっぱい。結局、滞納後は一月遅れの支払いを余儀なくされ、そのたび滞納時のペナルティとして「更新保証委託料」1万円を支払い続けた。
無断で鍵交換も 相談件数は急増
ここ数年、アパートなどの賃貸借契約を結ぶ際、家賃保証会社との契約を求められるケースが増えている。家賃保証会社は、借り主から保証料を受け取り、家賃を滞納した際に連帯保証人に代わって一時的に家賃を肩代わりする。
帝国データバンクの調査では、家賃保証会社29社の2008年の収入は合計217億円と2年前から倍増。過払い金返還請求問題にさらされた金融業者が、その債権回収能力をアピールポイントに参入しているという。
昨年からの景気悪化で家賃を支払えなくなる借り主が増え、最近ではトラブルも急増している。家賃保証会社が無断で鍵交換をしたり、家財処分をするなどのケースが続出。同業界には監督官庁がなく、直接規制する法律もないことから、一部業者は「追い出し屋」として社会問題化している。
国民生活センターに寄せられた相談件数も、08年度は428件と前年度比で倍以上に。弁護士や司法書士が2月に結成した「全国追い出し屋対策会議」によると、相談者は30代が中心で、無職、派遣、アルバイトなど収入が不安定な人が多いという。
「貯金口座にあるだけ、コンビニで下ろして持ってこい」。6月、家賃を滞納した男性(30)は、追い出し屋にすごまれ、残金4万円すべてを差し出した。男性はIT機器の営業サポートの正社員だったが、過労で倒れパワハラを受け、退職に追い込まれた。家賃支払日に雇用保険の受給が間に合わず、結局、退職後4回ほど「督促手数料」を要求された。
また、仕事が入らず無給状態が続く元派遣社員の男性(30)は、鍵交換の被害に遭う寸前だった。「長期の仕事から家に戻ると男性2人がドアノブをいじっていた。一日帰宅が遅れていたら締め出されていた」。
都内国立大学の男子学生(25)は、アルバイト代と奨学金で家賃を賄っていたが、一時支払いが滞り、突如ドアに施錠具が取り付けられた。後日、荷物も撤去され、「カーテンすら残っておらず、コートにくるまって朝を迎えた」と言う。
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