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大量在庫時代の買い得マンション
2008年5月7日(水)0時0分配信 読売ウイークリー
掲載: 読売ウイークリー 2008年5月11-18日合併号
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割安な地価と、都市再開発による好立地に支えられていたゼロ年代のマンションブームは終わった。混乱する市場で、販売価格はどこに着地するのか。08年春のマンション市場の動向を探った。
さいたま市内のあるマンション・モデルルームは、閑散としていた。マイホーム探しの若い夫婦などで混雑するはずの土曜午後。購入相談コーナーで販売員と相対する客は1組しかいない。なんとも寂しい有り様だ。
このモデルルームが本格的に販売を開始したのは、約1年半前の2006年10月。デベロッパー6社による共同事業で総戸数約800戸を華々しく売り出したが、立地の悪さなどから、販売は鳴かず飛ばず。建物が完成し、購入者が暮らし始めた現時点でも、100戸以上の売れ残りがあるという。
同じ埼玉県内の新築の超高層マンション。不動産ファンドがデベロッパーから一棟ごと買い取り、完成住戸をモデルルームにして、昨年5月から分譲販売を始めた。しかし狙い通りに事は運ばず、1年後の現時点で数十戸の完成在庫を抱えている。販売会社の男性社員は、こう話す。
「あと1年くらいかけて売っていきます」
会社まるごと売りに
新築マンションの売れ行きが低調だ。
住宅市場調査の不動産経済研究所によると、07年度の発売戸数は、首都圏が5万8156戸で、前年度よりも17・8%も減った。3月末の販売在庫は、1万837戸で、前年の同じ時期に比べ、3847戸増えた。不動産経済研究所によると、在庫のうち、5220戸が冒頭のケースのような、すでに完成しているマンションの“売れ残り”だという。
あるデベロッパー関係者は、こう嘆く。
「発売から1か月以内に契約にいたった割合(初月契約率)が昨年8月から今年3月までずっと、50〜60%台の低水準が続いている。最近の10年を振り返ってみても、こんな悪い数字が続くことはなかった。かなりきつい状況だ」
本誌でコラム「マンション一棟両断」を連載している建築家の碓井民朗さんは、こう話す。
「販売好調なのは、都内でも千代田区の番町など、ブランド立地の億ションなどごく一部に限られています。ファミリー向けは厳しい販売状況が続いています」
デベロッパーは、金融機関からお金を借りて、土地代と建設費の支払いに充てている。住戸の売り上げで借金を返し、また事業継続のために金を借りる。その繰り返しだ。しかし、販売不振と在庫増で、金融機関がデベロッパーに事業資金をなかなか貸さなくなってきているという。

