与謝野馨・前官房長官が語る
「秋に政界再編の胎動が始まる」
2008年5月21日(水)0時0分配信 読売ウイークリー
掲載: 読売ウイークリー 2008年6月1日号
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道路特定財源の一般財源化を閣議決定するなど“改革姿勢”は打ち出すものの、超低空飛行が続く福田内閣。政界の関心は、洞爺湖サミット後の内閣改造か、はたまた自民党総裁選か――に移りつつある。「ポスト福田」で有力視される与謝野馨・前官房長官に、混迷の日本政治の行方とその胸の内を聞いた。 (聞き手・本誌 加藤理佐/撮影 小倉和徳)
与謝野氏は、安倍改造内閣では、わずか1か月ながら、官房長官としてその手腕を発揮した。福田政権発足後も、自民党の党税調小委員長、財政改革研究会会長といった要のポストに座り、肝心な場面で福田首相に助言をしてきた。小沢一郎・民主党代表とは囲碁仲間、郵政造反組の旗印である平沼赳夫・元経産相とも高校の同級生と、政界に幅広い人脈を誇る。
――「ポスト福田」に意欲を示す麻生太郎・自民党前幹事長と共同で、「民主党よ、現実にかえろう」という提言をまとめ(文芸春秋6月号)、民主党に政党協議の場につくよう、呼びかけた。
「民主党よ、現実にかえれ」という部分は、麻生さんと共通の考え方なので、共同してものを申し上げようという話なんで。権力闘争のためとか、「ポスト福田」のためとか、そういう意図はあんまりないんですよ。
麻生さんは、1年生議員の時から知ってますから。スポーツマンだし、万事スマートだし。とても我々のレベルではかなわないと思ってますよ。
――与謝野氏自身も、「ポスト福田」に名前が挙がる。
私自身? 私に(「ポスト福田だ」と)言ってくれた人は一人もいない。あんまりそういうこと考えたことないもんだから、戸惑うばかりですよ。(咽頭がんの闘病生活を終え)ちょっと声が悪くなったけど、体は大丈夫。ゴルフは10ヤードぐらい飛ばなくなったけどね。
老舗の看板にこだわるな
――与謝野氏は、その幅広い人脈から、政界再編のキーマンと目されている。衆院と参院で多数派が違うねじれ国会を、どう解消していくか。
社会も変化の速度が激しい、世界情勢も刻々と変わるという時に、意思決定できない国会を持っているのは、国民にとって不幸なことだ。ねじれ解消のために、連立がいいのか、政界再編がいいのか、その中間がいいのかということは別にして、意思決定ができる仕組みを与野党が考えなければいけない時期が、だんだん近づいてきていると思う。
テーマは、社会保障制度を含んだ財政や経済、それから外交、資源エネルギー外交。それから環境問題とか。そういう大きな柱の部分で、意見を集約していく。今の政治は、細かい迷路に入りすぎている。小さいテーマも大事だが、それがすべてだと思ったら、間違えちゃうもんな。
――仕組みを作るには、舞台回しが必要だ。与謝野氏がその労をとるつもりは?
まだそれを語る時期には来ていないんだろうと思う。
――今月初めには、橋本大二郎・前高知県知事とも会談し、「政界再編の必要性で一致した」と報じられた。橋本氏は、次期衆院選への出馬を表明しており、自民党でも民主党でもない「第3の極」を目指している。
日本の政治を安定させるためには、老舗の看板だけにこだわっていたらダメ。どう老舗が脱皮していくかということだ。「自民党でなければダメ」って言って、ものが決まらない仕組みは困っちゃうんですよね。
――新党結成もやぶさかではない、と聞こえるが。
平沼さんが元気出しているんじゃないの。
でも、新党というのは、一瞬にしてやる話だ。今はいろんな話をしている段階で、機が熟しているかどうかは分かんない。

