福田さんは!?
政権の命取りとなった記憶に残るあの失言
2008年6月26日(木)0時0分配信 読売ウイークリー
掲載: 2008年7月6日号
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「政治家は言葉が命」と言われる。もっとも、昨今は名言より失言、妄言の類が目立つ。落ち目の内閣なら政権崩壊に直結する。内閣支持率の低迷にあえぐ福田康夫首相も先輩宰相と同じ轍にはまりかねない。
最新の読売新聞社の世論調査(6月)によると福田内閣の支持率は25・1%。前月比1・0ポイント下落した。与党内には「下げ止まったのでは」との見方があるものの、年金や後期高齢者医療制度への不信に景気低迷下の物価高も加わって、再浮上する要素は見あたらない。
政権の体力が落ちたら何が起きるのか。平成以降、安倍晋三首相まで12人の政権を振り返ると、失言で退陣、政権基盤の大激震に追い込まれたりするケースが目につく。
その代表例は、たったひと言で退陣に追い込まれた海部俊樹氏だろう。1991年9月末、政治改革関連3法案の先送りが決まった時、海部首相は切羽詰まって「重大な決意」と口走る。衆院解散も辞さない覚悟で臨むという意味だった。これに対し、最大の支持基盤だった竹下派が反発。当時、自民党総裁選が迫っており、同派は海部首相に対し、「再選不支持」を通告した。5日後、海部氏は総裁選不出馬を表明した。たった5日で、政権が吹き飛んだのである。
支持率が落ちてくると、メディアの目も厳しくなる。発言を揚げ足取りスレスレで報道される場合もある。後に釈明してもまさしく「綸言汗のごとし」。何人の首相がほぞをかんだことか。そんな失言の数々と舞台裏を振り返ってみよう。(肩書は当時)
森 喜朗(00・4〜01・4)
日本の国はまさに天皇を中心とする神の国だ
失言を繰り返したことから、“失言大王”と揶揄されたのが、森喜朗首相だ。なかでもこの「神の国」発言は、失言の代名詞のように語られている。発言は、首相就任から約1か月半後の2000年5月15日、都内で開かれた神道政治連盟国会議員懇談会で飛び出した。
森首相は当時、同会の顧問を務めており、いわば身内へのリップサービスの気持ちだったのだろう。しかし、首相としての自覚がなさ過ぎた。直後から野党やメディアの多くが、「主権在民の憲法理念を否定するものだ」と批判。森氏は当初、「正しいことを言っているつもり」と発言を撤回しなかったため、創価学会を支持母体とする与党の公明党も態度を硬化。衆院選を1か月後に控えた自民党内でも反発が強まった。
結局、謝罪記者会見を行ったが、そこでも「誤解を招いた」程度の釈明に終始したことから、朝日新聞の当時30代後半の官邸キャップからこんなキツーい“説教”を受けたのである。
「総理はこの問題の所在をご理解されていない。あえて申しますが、今問われているのは首相としての資質なのです。自身の立場、場所をわきまえず、誤解を招きかねない発言を平気でおっしゃる、その総理としての軽さが国民から問われているのです」
