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野球

日本S吹き飛ばす松井のMVP 正力賞特別賞の価値アリ

2009年11月6日(金)17時0分配信 夕刊フジ

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 王手の掛け合いになった巨人対日本ハムの日本シリーズ第5戦を吹き飛ばした、ヤンキース・松井秀喜の衝撃的なワールドシリーズMVP獲得劇。12日に都内ホテルで開かれる今年の正力松太郎賞選考委員会で特別賞を贈る価値がある。

 思えば、4番・松井がシーズン初の50本塁打、107打点の二冠王、MVPを獲得した日本球界ラストイヤーの2002年以来、巨人は日本一になっていない。ヤンキースに9年ぶりのワールドシリーズ制覇をもたらした、松井の大リーグタイ記録の1試合6打点の猛打を見れば、それも当然か。契約切れの今季限りでヤンキースとの再契約はなしといわれた苦境での怪物の真価発揮だ。

 将来の日米決戦を夢見て、「大リーグに追いつき追い越せ」というスローガンを掲げた、巨人軍生みの親の故・正力松太郎氏。ワールドシリーズで日本人メジャーリーガー初のMVPを獲得したヤンキース・松井は、Aロッド、ジーターらスーパースターを押しのけての快挙だ。まさに「大リーグに追いつき追い越せ」を実践したことになる。

【原は“2度目の受賞”へ日本一取れ】

 正力賞は「毎年のプロ野球界で最も貢献のあった競技者(監督、コーチ、選手、審判)に対して授与される」と規定されている日本球界の栄誉ある賞だが、例外がある。就任1年目で日本一になった西武・伊東勤監督が正力賞を受賞した04年に、マリナーズ・イチローが特別賞を受賞しているからだ。大リーグの年間最多安打記録を84年ぶりに更新したことを評価されてのものだった。ワールドシリーズという世界最高峰の舞台でMVPを獲得した松井に対しても特別表彰するのはむしろ当然だろう。日本中のファンが拍手喝采を送った快挙なのだから。

 松井の衝撃的なワールドシリーズMVPで、何がなんでも7年ぶりの日本一を奪回、正力賞を獲得する必要に迫られたのが、巨人・原辰徳監督だろう。監督就任初年度の02年、4番・松井が原動力になり、日本一になって初の正力賞を受賞している。が、昨年は大逆転落選の屈辱を味わわされているからだ。首位・阪神との13ゲーム差をひっくり返す奇跡のリーグ連覇。「今年の正力賞は原君で決まりだと思っていた」と、元V9監督の川上哲治・選考委員会座長が予想していた当確状態を日本シリーズでどんでん返しされている。

 先に王手をかけながら就任1年目の西武・渡辺久信監督の縦横無尽な采配の前に敗れ去ったのだ。今年も日本ハムに7年ぶりの日本一奪回を阻止されれば、再び正力賞当確は危うくなりかねない。06年にソフトバンク・王貞治監督が第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を奇跡の世界一に導いたことを評価され、正力賞を受賞した先例もある。原監督もWBC連覇とリーグ3連覇の合わせ技で当選の可能性はある。

 が、それでは4番・松井がヤンキースに移籍して以来、日本一になれないという、巨人軍の汚点は消えない。胸を張っての2度目の正力賞受賞とはいかない。(夕刊フジ編集委員・江尻良文)








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