Jリーグに謝罪に訪れた川崎の(手前から)井川、伊藤。未熟な行為の代償は大きい [ 拡大 ]
ヤンキース・松井の悲願の世界一、白熱する日本シリーズ…。沸く野球界に対し、日本サッカー界は明るい話題を自ら放棄する出来事が続いている。
【新戦力なし】
日本サッカー協会は5日、岡田武史監督(53)からの「アウェー戦」のリクエストで実現した南アフリカ・香港遠征(9日〜19日)メンバー21人を発表したが、この日は運悪く、ヤンキースの松井の話題一色で、会見場には空席も。肝心のメンバーも「海外組が年内集合できるのが最後になるから」と、期待の新戦力はなかった。
10月の3試合に招集されたメンバーからは、J1で得点王単独トップのFW前田(磐田)、岡田監督の高校(大阪府立天王寺高)の後輩にあたるMF橋本(G大阪)ら7選手が外れた。
今回招集しなかった選手について「ダメとは全く思っていない。全員が戦力」と岡田監督。「その国によって違う慣習がある。スタッフにとっては得難い経験になる」と、本番へ向けたシミュレーションを期待したが、あまりにも淡々としたものだった。
【サッカー界の恥】
Jリーグでは3日のナビスコ杯表彰式で準優勝の川崎の選手が首からメダルを外したり、来賓との握手を拒んだ態度などを巡って大揺れ。中でも表彰台でガムをかんでいたDF森の行為は動画サイトで20万アクセスを突破するなどブーイングの嵐となった。
この日、Jリーグには武田信平社長や主将の伊藤、選手会長のDF井川が訪れ、鬼武健二チェアマンに改めて謝罪。川崎は賞金5000万円の返上を決め、さらに武田社長ら幹部3人を3カ月減給10%とし、DF森をクラブとして当面リーグ戦に出場させない方針を示した。
これを受け、鬼武チェアマンは「5000万円をどうするかは実行委員会で決める」とし、リーグ側の監督、指導責任について、「監督する立場である私の責任問題は裁定委員長と相談する」と処分を検討していることを明らかにした。
もっともこの件について、鬼武チェアマンは「サッカー協会幹部は業務多忙を極めている」とし、報告していなかったことを明かすなど、ちぐはぐさも。犬飼基昭会長が「お金を返して済む問題ではない。スポーツ界の恥だ。スポーツをやっている人がやってはいけないことを、大観衆の前でやった。サッカー界としても恥ずかしい」と激怒するのも当然だった。(夕刊フジ編集委員・久保武司)