生まれ変わったMac OS「Snow Leopard」の楽しい・簡単・キレイを最速体験
2009年8月27日(木)11時0分配信 BCN
Mac OS X v10.6 Snow Leopard [ 拡大 ]
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革新的に進化したOS、ただ「Snow」が付いただけじゃないぞ!
Snow Leopard(スノー・レパード)は、日本語でユキヒョウ。主に中央アジアの高山地帯に生息する希少動物だ。アップルのMac OS Xはこれまで、開発コード名にネコ科の大型獣の名前を冠してきた。日本では、v10.3 Panther(パンサー)から、製品名にもこの開発コード名がそのまま使われるようになった。そして、v10.6 Snow Leopardでは、初めて製品パッケージにユキヒョウそのものが登場している。動物の写真が使われたOSのパッケージは、アップル史上初ではないだろうか? そのユキヒョウの姿は、実に精悍で、エレガントで、秘めたる力を感じさせる。これこそまさに、OSとしてのSnow Leopardをみごとに象徴した姿、といえるだろう。
v10.6 Snow Leopardは、v10.5 Leopard(レパード)を正常進化させつつ、徹底したチューンアップを施したとされているが、それは決してマイナーバージョンアップというわけではない。使ってみるとたちどころに体感できるのだが、「Snow」が付くか付かないかで、まったく別のOSといっていいほどの進化を遂げている。Snow Leopardで、アップルは、これまでのMac OS Xの約90%に改良を加えたという。見た目の変化こそ少ないものの、その進化は、フルモデルチェンジそのものだ。
はっきりわかるスピードアップ! Mac史上最速のOS
まず一番に体感できるのが、Snow Leopardの速さ。電源オンで起動して画面が表示されるまで、スリープ操作をしてHDDがストップするまで、スリープを解除して再び操作可能になるまで、とにかく速い。Leopardと比べても、その違いが明らか。はるかに動作が機敏になった。
もちろん、アプリケーションの起動や、ファイルを開いたり、保存したりする動作も、キビキビとすばやい。USBメモリの抜き差しや、CD・DVDの認識と取り出し操作もスピードアップした。Leopardでも、その前のv10.4 Tigerに比べて反応が速くなったのだが、Snow Leopardは、さらにそれを凌駕する速さを実現している。
どうしてこれほどまでにSnow Leopardがキビキビと速くなったのか? それは、ファイル管理などをつかさどる中心的なプログラム「Finder」が、まったく新しく設計し直されているからだ。Snow Leopardは、インテルCPU搭載のMac専用のOSであり、これまでのPowerPC搭載Macにはインストールすることができない。その代わりに、64bit化やマルチコアプロセッサ対応など、OSレベルで、次世代テクノロジーをしっかりとサポートしている。ユーザーが何も意識することなく、先進技術のパフォーマンスを余すところなく活用できるように設計された、まったく新しいOSなのだ。
Macならではの簡単操作にますます磨きがかかった
Finderでは、アイコンの表示にも改良が加えられている。Leopardまでは、アイコンの最大サイズは128×128ピクセルだったが、Snow Leopardでは、なんと512×512ピクセルまで拡大できるようになった。拡大とはいえ、アイコンは美しいまま。ここにもアップルのデザインセンスが光っている。
また、アイコン状態でのファイルのプレビュー表示も、よりわかりやすくなっている。PDFファイルは、アイコン状態のままで、なんとページめくりまで可能。さらに動画ファイルは、アイコン状態のまま再生することもできる。どのアイコンが何のファイルなのか、アイコン状態でもしっかりと確認できるわけだ。
さらに、Leopardから搭載されたファイルの中身を表示する機能、Quick Look(クイックルック)も進化している。例えばWindowsの場合、あるソフトで作成されたファイルは、そのソフトを自分のPCにインストールしていなければ、開いて中身を確認できないことが多い。しかし、Snow LeopardのQuick Lookは、ほとんどのファイルを開いて見ることができる。試しに、Adobe PhotoshopやIllustrator、Microsoft PowerPointのファイルを表示してみたが、何の問題もなく、中身を見ることができた。Quick Lookでファイルの中身を見るには、そのファイルを選択した状態で、スペースキーを押すだけ。「ちょっとファイルの内容を確認したい」というときに、すこぶる便利な機能なのである。
開いているウインドウやファイルを並べて一覧表示することができるExpose(エキスポゼ)が、Snow Leopardでは、画面下部にあるDockでも利用できるようになった。例えば、たくさんのWebページをそれぞれ別画面で開いているときなどに、Dock内のSafariのアイコンを長押しすれば、Safari関連のウインドウがExposeで一覧表示になる。あとは、見たい画面をクリックすれば、その画面が最前面になるようにあっという間に並び変えが行われる。実に簡単で、しかも使い勝手は抜群にいい。
パソコン画面上で、ファイルやフォルダを扱って何か作業をするときに、Leopardで実現していた簡単さが、Snow Leopardでは、さらにもっと簡単・便利になっているのである。Windows 7でも、さまざまな方法を駆使して、ユーザーの使いやすさを高めようとしているようだが、Snow Leopardが実現している世界は、それよもはるか先を行っているように感じられた。
ユキヒョウの神々しさにも通じる、美しさが際立つ画面
Mac OS Xが標準搭載するソフトも、Snow Leopardで大きな進化を果たした。まず、見た目に一番違いがわかるのが、Quick Time X(テン)だ。Mac OSの動画環境を支えるQuick Time。ソフトのアイコンそのものも、より立体的なイメージに変わったが、再生画面も枠のないシンプルで美しいものに変更された。再生・一時停止などのコントロールは、ポインタを近づけると再生画面内に表示される。
その再生画面が、これまたとても美しい。アップルのカラーマネジメント技術であるColor SyncがQuick Time Xにも搭載され、これまでよりもさらにオリジナルに忠実な色再現を実現しているという。しかも、マルチコアプロセッサとグラフィックプロセッサの力を最大限に引き出せるように設計し直されているので、フルHD画質の動画もまったくストレスなく、なめらかに、美しく再生される。
このQuick Time Xには、動画の前後不要部分をカットしたり、iPhoneやiPod、YouTubeなどでの再生に最適化する動画変換機能などが標準搭載されている。こうした機能の一部は、これまでは有償でバージョンアップしたQuick Time Proでなければ使えなかったものだが、Quick Time XからはProへのバージョンがなくなり、動画フォーマットの変換などがより手軽に行えるようになっている。Snow LeopardのQuick Time XとiMovieの組み合わせは、おそらく、追加投資なしで手に入る、今もっとも強力な動画編集環境だと思う。
画像ファイルやPDFファイルなどを表示するためのMac OS Xの標準ソフト、プレビューは、表示がさらに高速になった。Mac OS Xは、OSが標準で主要カメラメーカーのRAWファイルもサポートしているので、特別なソフトを追加することなく、RAW画像を表示することができる。Snow Leopardでは、このRAW画像の表示もいっそう高速になり、さらに、プレビューを使って、フォルダ内の画像ファイルをサムネイルで一覧表示できるようになった。
サムネイルの大きさは、スライダーを動かすことで瞬時に変わるし、サムネイルの一覧をプリントアウトすることもできる。また、プレビュー上で、Adobe RGBやsRGBの色空間で画像を確認することができるソフトプルーフ機能も搭載。プレビューがあれば、もう他の画像閲覧ソフトは必要ないくらい多機能だ。
写真を撮る・見る・編集する・管理するが、Snow Leopardなら、いままで以上に楽しく、快適になりそう。写真好きのデジタル一眼ユーザーなら、Snow Leopard搭載のMacは、最高に気の利いたパートナーになるだろう。
信頼性アップ! ビジネスシーンでの活躍も期待できそう
Mac OS Xの標準ブラウザ、Safariは、バージョン4がすでに先行リリースされている。しかし、Snow Leopardが搭載するSafari 4は、それと同じものではない。プラグインの読み込み・実行環境が改良された特別バージョンだ。Safariを起動すると、FlashやPDF、その他のプラグインも同時にメインメモリに読み込まれるのだが、Snow Leopardでは、Safari本体とは別のメモリ領域に読み込まれるように改良されているという。
そのため、プラグインの障害でSafariそのものがフリーズする、というケースが格段に少なくなる。「Safariが固まった」などという事態に遭遇することは、Snow Leopardではほとんどお目にかかることはできなくなるはずだ。加えて、マルウェア対策などセキュリティ面でもかなりの強化が施されているようだ。見た目は同じSafari 4でも、Snow Leopardのそれは中身がかなりチューンアップされているのである。
「Macを企業内のネットワークでも使いたい」という方に朗報なのが、Microsoft Exchange Server 2007の正式サポートだろう。Windowsとのファイルの互換性やプリンタ共有、ネットワーク構築などは、これまでのMac OS Xですでに実現していたが、Snow LeopardがExchange Serverを正式サポートしたことで、Mailを使ったメッセージのやりとりや、デスクトップカレンダーのiCalを使ったスケジュールの共有が可能になった。
個人メールとExchange Server経由のメールを一元管理することができるし、iCalに予定を書き込むだけで、Exchange Server経由でメンバーに会議を招集することも簡単にできてしまう。Windowsでは、Microsoft Officeなどのソフトを別途購入しなければ、Exchange Serverの機能を利用することができないのだが、Macでは、OSをSnow Leopardにするだけで、Exchange Serverが利用できるようになるのだから驚きだ。
理論上、160億GBのメモリまで扱える64bitコンピューティングに対応していたり、マルチコアプロセッサの能力をフルに引き出すGrand Central Dispatch(グランド セントラル ディスパッチ)技術を導入したり、グラフィックプロセッサのパワーを画像処理以外でも利用可能にするOpenCLをサポートしたりと、Snow Leopardでは、OSのコア部分にも革新的なテクノロジーが注入されている。つまり、Snow Leopardは、MacやiPhoneなども含めた、今後のアップル製品にとって土台となる、極めて先進的なOSなのである。
使っていて楽しいOS! この際、ハードも新調を?
Snow Leopardには、まだまだここで紹介しきれないほどの進化が加えられているのだが、実のところ、ユーザーは、あれこれ気にする必要はまったくない。何しろ、ちょっと使ってみただけでも、驚くほどスピーディーで、すこぶる簡単で、とにかく画面の隅々まで美しくてキレイで、何か1つ操作するたびに、ワクワクした楽しさがあふれてくる、Snow LeopardはそんなOSなのだから。ただ素直に、それを堪能すればいいだけだ。
v10.5 Leopardのユーザーは、わずか3300円でSnow Leopardにアップグレードすることができる。正直、これはアップルも大盤振る舞いしすぎなのではないか、と心配になるくらいだ。それくらいSnow Leopardはよく出来ている。仮にこの倍の金額だったとしても、アップグレードする価値は十分にある大きなバージョンアップだと思う。
v10.4 Tiger以前のユーザーは、iLife'09とiWork'09がセットになった1万8800円の「Mac Box Set」を購入する必要があるが、最新のiLifeとiWorkが一緒に手に入るのだから、これもお買い得だ。ただし、先にも述べたように、Snow LeopardはインテルCPUを搭載したMac専用のOSである。Macに搭載された最初のインテルCPUは、Intel Core Duoプロセッサだったが、もちろん、それでもこれまでのLeopard以上のパフォーマンスが体感できるようになるはずだ。
しかし、Snow Leopardの真価を存分に味わいたいなら、やはり、最新のIntel Core 2 Duoと、NVIDIAのグラフィックプロセッサを搭載した、iMac、MacBook、MacBook Pro、MacBook Airのどれかに乗り換えることを強くおすすめしたい。グラフィックプロセッサの有無は、間違いなく快適さを大きく左右するからだ。
ところで、PowerPC搭載のMacを今も大切に使い続けている方にとっても、Snow Leopardの登場は、その完成度の高さから、最新Macへの買い換えの理由に十分なるだろう。決断のときがついにやって来た、というわけだ。また、1台のMacでMac OS XとWindowsを切り替えて使うこともできるため、現在Windowsマシンを使っているユーザーにとっても、Snow Leopard搭載の最新Macは、大変魅力的なマシンであることもまた間違いなさそうだ。(フリーライター・中村光宏)
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