東京国際航空宇宙産業展2009、三菱重工の国産旅客機「MRJ」など最新技術が集結
2009年11月5日(木)12時26分配信 BCN
東京消防庁によるヘリのデモンストレーション [ 拡大 ]
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注目の「MRJ」登場、航空産業の今を見つめる――三菱重工業とJAXA
三菱重工業のブースでは、日本初の国産旅客機「YS-11」以来、約40年ぶりの国産ジェット旅客機として注目を集めている「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の模型を展示、多くの来場者でにぎわっていた。MRJは最先端の技術を搭載した70-90席程度の次世代リージョナル機。室内は1列4席の座席を配置するほか、スリムな座席デザインを採用したことで空間にゆとりをもたせ、通常のリージョナル機よりも快適に過ごせるという。
MRJは経済産業省のプロジェクトとして研究を開始。同社の複合材料によって機体を小型・軽量化、さらに新開発のエンジンを搭載したことで、同等クラスのジェット機よりも燃費を高めた。現在MRJは、米国のトランス・ステーツ・ホールディングスの100機に加え、国内では全日本空輸(ANA)で25機の受注が決定している。
イベント初日の講演会では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の石川隆司・研究開発本部長 航空プログラム統括リーダが、航空分野に関する研究を発表した。航空宇宙産業の国内総生産額は、これまで防衛の需要(防需)が中心だったことを指摘。しかし08年には、総額1兆1867億円のうち民生での需要が53%と防需47%を抜いたこと明らかにした。
このほか、飛行機本体の材料として、現在注目されている炭素繊維を用いた複合材料「CFRP」について解説した。CFRPは高コストだが軽くて強度があり、品質も安定しているため「今後10年はこの素材が中心に使われていくだろう」(石川氏)と予測している。
月探査機「かぐや」から何がわかる? ガンマ線を分析――早稲田大学
一方、宇宙産業に関する研究を発表するブースも設けられていた。早稲田大学理工学術院総合研究所 長谷部信行氏の研究室では、JAXAの月探査機「かぐや」に搭載した検出器「ガンマ線分光計」の地上試験用モデルを展示、同機器の役割について紹介した。
「ガンマ線」とは、原子核から発生する電磁波のこと。宇宙空間に飛び交っている宇宙線が月面に入射して相互作用を起こすことで発生するほか、天然放射性元素が崩壊することでも生成される。このガンマ線を計測すると、月面のどの場所にどのような元素が存在するのかわかるという。月の元素組成が明らかになれば、月の起源と進化について解明することができ、将来月面基地を建設する際の参考となる。
「かぐや」は07年9月、H-IIAロケットによって打ち上げられた日本初の月周回衛星。同衛星には「ガンマ線分光計」のほか、ハイビジョンカメラや月磁場観測装置など観測機器が15種類搭載された。これらの機器から集積されたデータをそれぞれの研究機関が分析することで、月の成り立ちや構造が明らかになる。現在、「かぐや」は後継機の開発が進められており、次は月面探査車を用いた調査になる予定。「ガンマ線分光器」をはじめとした観測機器は、一層の小型・軽量化、省電力化が求められる。
ブースによる展示のほか、初日には東京消防庁によるヘリのデモンストレーションと音楽隊の演奏が行われ、来場者を楽しませていた。音楽隊は「ザ・ロケッター」「鉄腕アトム」など、宇宙や航空にちなんだ楽曲を含む4曲を披露した。
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