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情報システム

自分は時代に合っているか

2009年10月28日(水)8時0分配信 ITmediaエンタープライズ

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 2008年9月のリーマンショックから、売り手市場だった人材市場が一気に買い手市場になりました。派遣切りなどという言葉が横行し、派遣社員、業務委託社員を解雇・契約解除に踏み切る会社が増えました。

 「大手企業でさえ、やっているくらいだから……」

 そういう言い訳をしながら、便乗している会社もあったのではないでしょうか。

 不景気時代という言葉は、どこか人のせいというか、自分は何も悪くないというニュアンスが含まれているように思います。確かに、自分一人が悪いわけでもないし、自分が不景気を生み出したわけでもない。しかし、目の前に起きていることは、何とかしないといけないわけです。もし、自分がリストラ対象だったら……。

●初めての不況ではない

 1980年代はバブル経済に踊り、1990年代の初頭にはそのバブルが終焉を迎えました。95年のWindows 95発売を機に、90年代後半に今度はITバブルがやってきましたが、それも2000年にははじけ飛んでしまいました。

 しかし、それでも企業も人も、しんどい思いをしながらも、何とか乗り越えてきたのだと思います。わたしは、それは企業経営者とそこに勤める社員の適応力だと考えています。いまは100年に一度の不況だとか言われていますが、程度はともかく初めての不況ではないのです。

●あれもこれも、と求められる時代

 一昔前は、わたしたちに求められる機能は、さほど多くはありませんでした。職人肌で無愛想でも、「彼はこれができるから」とかばってもらうこともできました。

 ところが、ここ最近は「職人肌なんて認めない」という風潮があるように感じます。プログラマーであっても、客先で商談してこなくてはならなかったり、ともすると慣れないスライドを使ってプレゼンテーションをすることになったり。

 慣れないことを続けて、心の病になる方も少なくありません。また、できない言い訳をし続ける人もいます。しかし、「できない」を言い続けても本質的な改善にはなりませんし、一生それでいいのか、という疑問も浮かんできます。できるために、やり切るためにどうするのか、を考えることも必要なのではないでしょうか。

●必要とされなくなった機能

 ここまで書くと悲観的に感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、必要以上に悲観的にとらえる必要はないと考えています。しかし、一方で時代に取り残されない生き方も必要なのではないか、と思っています。

 製造から販売の工程を考えてみましょう。80年代までの日本では、工場で製造され、それが卸業者に運ばれる。モノによっては、元卸業者というところを経由し、小さな地区ごとの卸業者に渡り、やがて小売業者に運ばれて、私たちの手元に届くことになりました。

 そして2009年のいま、たいていのモノがインターネットで購入できます。製造業者の直販も少なくありません。ソフトウェアがその筆頭かも知れませんが、ダウンロード販売がほとんどです。わたしが愛用しているジャストシステムのATOKは、ここ数年ダウンロードでしか購入したことがありません。パッケージ販売と違って、店に足を運ぶ面倒もないし、家に空箱が残るということがないので環境にもいい。何より、パッケージ商品よりも安く購入できます。利用しない手はありません。

 ところが、それらの卸業者はどうでしょうか。以前は必ず自分たちを経由して販売されていた商品が、自分たちを素通りしていってしまいます。小売店も同様ですね。家電量販店でソフトウェアを購入する人は格段に減っているはずです。

 もしわたしがソフトウェア卸業者の正社員であったら。確実に何か新しいビジネスモデルを構築しない限り、わたしあるいは同僚は少しずついなくなっていくことになるのだと思います。

 「自分は営業担当者だから、ビジネスモデルを作るのは経営者の仕事だ」

 そうやって言い張っているのは勝手ですが、その会社が衰退していくのにそれでいいのでしょうか。

 卸業者でありながら、ダウンロードでできるビジネスとか、小売店が楽になる施策を考えるとか、あるいは大きく業態を変える案とかが必要になるはずです。それが経営者だけに押しつけておいていいのか、ということです。会社の将来でありながら、自分自身の将来でもあるのですから。

●2:6:2の原理

 2:6:2の原理をご存じでしょうか。われわれ人間が集団を構成すると、その集団を構成する上で優秀と判断される人が2割、ごく普通の人が6割、不要と思われる人が2割になるといわれているものです。これは、アリで実験されたことで有名なのですが、人間にも当てはまると言われています。一説には、1:7:2とも言われているようです。

 われわれビジネスパーソンの多くは、やりたいことと関係のない仕事に就いているのではないでしょうか。かくいうわたしも、やって楽しい仕事はありますが、自らが望む仕事ではないことがほとんどです。

 しかし、だから嫌々やるというのでは意味がない。大事なことは、会社に役立つことであることです。自分の成長にとってどうなのかを考えるのは、二の次だということです。もちろん自分の成長に役立てばいいのですが、それは優先順位としては低いわけです。

 では、会社に役立つというのはどういうことでしょうか。それは、その前に自身の存在意義を考えるところから始めるべきかもしれません。何も否定的になろう、ということではありません。何かあるはずです。

 企業の中での存在意義というと「歯車になる」とか「言いなりになる」といった不快なイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、わたしはそうではないと考えています。

 むしろ言いなりになる、なんていうのは企業のためにならないのだと思います。企業のため、経営者にも協力してもらい、上司のサポートも得て、全体を推進していく結束力を作り上げるためには、まずは自らが動くということが大切です。

 時代に乗り遅れない。それは、自分が動くことが第一歩なのだと考えます。【大木豊成】








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