大河の一滴ならぬ標準電波の源流を求めてナビにも表示されない山奥へGo!
2009年10月11日(日)11時0分配信 R25
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「おおたかどや山標準電波送信所」は、電波時計の電波を発信する日本で2カ所しかない施設の一つ。今回、年に一度のメンテナンスの機会に、施設内の心臓部を見せてもらえることに。
何度か道に迷いながら山を登っていくと、山間部には似つかわしくない鉄柵が。ご丁寧に「立ち入り禁止」の看板と監視カメラもついている。すわショッカーの基地かと思うほどの怪しさだが、ここが目的地だった。門をくぐりさらに5分ほど登ると標高790mの山頂に到着。そこには、これまでに見たことのないバカでかいアンテナが鎮座していた。アンテナを支えるためのワイヤーも尋常な太さじゃない。これだけデカイものを見ると自分のテンションも上がるな。
小学生の社会科見学のようにはしゃいでいるところに「これは高さ250mの傘型アンテナです。このワイヤー自体がアンテナの役割をしており、ここから 50kWの電力で長波の電波を発信しています」との説明が。声の主は、この送信所を管轄する独立行政法人情報通信研究機構 光・時空標準グループの小竹昇主任研究員。
しかし、電波時計のためにこんなに巨大な電波施設をつくるなんてスゴイですね。
「標準電波送信所は、電波時計のためだけに電波を発信しているわけではありません。ここから発信させる長波帯標準電波は、放送や電話の時報サービス、地震計や気象観測機などの時刻管理、鉄道や道路交通の時刻管理などにも使われます。時間以外にも、計測器や無線機の基準周波数にもなっているんです」
まさに電波界の日本橋(道路起点がある場所ね)、いや、音をチューニングする音叉のような役割といったところかな。アンテナの見学を終えて施設内に足を踏み入れると、正直、意外と普通…。変わったところといえば、窓に銅線が張り巡らされていることくらいだ。
「50kWと強い出力なので、室内に電波が入ってこないようにしてあります。アンテナ周辺にも立ち入り禁止のロープが張ってあったでしょう。今日はメンテナンスのために日中は電波を止めているから入れたんです」
なるほど。ところで、今しか見られない心臓部ってどんな場所なんですか?
「整合器室ですね。ご案内しましょう」と連れていかれた部屋は、まさに心臓部という表現がぴったり。キラキラと光る銅板の壁に囲まれた部屋は、とにかくデカい機器に球体や円盤状の物体があり、子どものころに見た未来の研究所そのものだ。
「ここにある整合器は、アンテナと送信機のインピーダンス整合をとるための装置です。送信機から出ている電波をアンテナにロスなく効率的に送る部屋だと思ってもらえると分かりやすいと思います」
次に見せてもらったのが、原器室と時刻信号管理室。ここでは、セシウム原子時計をもとに、長波帯標準周波数信号と時刻コードを生成している。
「ここで作られた時刻コードなどが、先ほどの整合器室を経由してアンテナへ送られて、日本全国へ送信されるんです」
ここが、電波や時刻が生まれいずる場所、いわば「電波と時刻の源流」(勝手に言ってるだけだけど…)かと思うと感慨もひとしお。送信所では24時間体制で2〜4人の監視員さんが、アンテナ、送信機関連、原子時計の保守管理を行っているのだとか。日本中の時計を司る四天王と呼ばせてもらいます!
一通り見学を終えたのは、約3時間後。取材前と後では、自分の時計が示す時刻が少しだけ違って見えた気がした。時間なんて勝手に進むものと思っていたけれど、誰かがどこかで、というかこの送信所でしっかりと管理していたんだね。これから時計を見るたびに感謝することにします。これからは「いま何時?」って聞かれても、そうねだいたいね〜、なんてもう歌いません!
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25.jpから一部抜粋したものです
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