シャーレに描いた“芸術”
2009年5月14日(木)15時38分配信 ナショナルジオグラフィック
さまざまな色に輝く蛍光バクテリアがシャーレを飾っている。2008年度ノーベル化学賞を受賞したロジャー・チェン氏が、自らの記念として作った“芸術作品”だ。チェン氏は緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見によって下村修氏、マーティン・チャルフィー氏とともに同賞を受賞した。Photograph courtesy UC San Diego via AP [ 拡大 ]
-PR-
1962年、下村氏は数限りないオワンクラゲを集めて蛍光タンパク質を精製し、GFPを発見。綿密な研究を重ね、GFPが自らのタンパク質だけで発光することを突き止めた。通常の蛍光タンパク質は他の発光化合物との複合体だが、GFPは紫外線を当てるだけで発光することがわかったのである。
チャルフィー氏は、GFPを利用すれば生体活動の観察が可能になることを突き止めた。同氏は大腸菌(E. coli)にGFPを導入し単体で発光することを確かめた後、GFP遺伝子を線虫の遺伝子に組み込み始めた。
そしてさらに応用を加えたのが前出のチェン氏である。同氏はGFP遺伝子を改変して青緑色、青色、黄色の蛍光タンパク質を精製し、サンゴからもさまざまな色の蛍光タンパク質を精製した。そのようにして新たに生み出された蛍光タンパク質はmPlum、mStrawberry、mOrangeなどと呼ばれている。
3氏の発見は医学や生物学、化学に革命をもたらした。アートの分野にも影響を与え、チェン氏の作品をはじめ、蛍光タンパク質で輝くビーカーから作られた美しい彫刻や発光する生きたウサギなど新たな世界が広がっている。
Chris Combs for National Geographic News
「スペースシャトルの歴史」の動画はこちら »
■ 関連コンテンツ
・ノーベル化学賞はGFP発見者と開発者
・極彩色の海の世界
・自然が魅せる芸術 (写真集)
・ノーベル物理学賞は素粒子理論の3氏
・2008年度イグ・ノーベル賞、受賞一覧
ナショナルジオグラフィック 科学&宇宙最新ニュースはこちら »